第7話 厄介事
静かな教室で俺はパソコンと向かい合いながら、キーボードを打つ。こういうものははやめに終わらせて、後はすべて任せるのが最も良いと思っている。静かな教室中、綿津見も原稿を作り始めた
ただ静かだった。家はおしゃべりな姉と、生き物たちとその飼育用具のせいでうるさい。耐えられるがいい気分ではない。
「ねぇ、香月くん、どこまで進んだ。」
いつの間にか後ろにいた綿津見に話しかけられた。
「学校生活の部分は作り終わった。」
「速いね!頑張ってね!」
褒められるのはあんま好きじゃないから速く席に戻って、静かに作業を続けてほしい。願いどうり綿津見は席に戻って、作業を再開した。面倒くさいので必要なとき以外は話しかけないでほしい。俺は集中して作業に戻る。
ちょうどスライド編集が一段落ついたところでいつの間にか6時になっていた。中学部は基本6時には学校からでなくてはいけない。ちなみに6時まで教室に残っていたのはこれが初めてだ。俺が荷物をまとめてそそくさと教室を出ようとしたとき、
「一つ質問していい?私ってどんなイメージがある?」
急に綿津見が俺に質問してきた。
俺はこの時、仮面ライダーWの仮面ライダーアクセルの変身者である「照井竜」の名言である「俺に質問するな!」が頭をよぎった。俺もアクセルのような速度で走って逃げ出したいところであるが、くだらない人間関係のもつれになりそうだ。
さて、なんて答えてやるのがくだらない人間同士のトラブルに発展せずに済むのだろうか。俺の頭は「ガリレオ」の湯川学がひらめいたときのごとく高速回転し始めた。
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