第6話 可哀想だとは思わないのかよ

 今日は残念なことに、来年の新入生へ向けた学校説明会の準備の役員になってしまったため、早く家に帰れなくなってしまった。プラス方向に考えればこの先の行事で役員になる必要がないが面倒くさいものは面倒くさい。そんな事を考えながら今日も適当に学校生活を送った。何も考えずにぼーっとしているのが最高なのである。

 

 「今日、掃除終わった後学校説明会の準備があるから忘れずに来てね」

 「分かった」

 

 掃除前、俺は綿津見に声をかけられた、こっそり帰ろうかと思っていたがどうやらそれはさせてくれないようだ。

  

「じゃあみんな集まったし、これから役員会議を始めます」


 掃除が終わった後すぐに会議は始まった。役員は全員で6人で、男2人に女4人の組み合わせになっている。話し合いは綿津見主体で進んでおり、正直、役員は綿津見だけでもいいような気がする。

 

「最後に役割分担をして終わろうか。発表は私も担当するね」

「玲奈ちゃん私達3人も発表参加するよ!」


 そう言って手を上げたのは、山岸と高嶋と四条の3人組だ。さっき始めた名前を知ったが、いつも一緒にいるイメージがある奴らだ。


「では僕は会場と英語スピーチ担当で」


 こいつは一ノ瀬。副委員長。賢い。それしか知らん。


「香月さんはスライド編集でお願いします。」

「得意そうなイメージがあるから、全部お願いね。」


 一ノ瀬と四条がそう言って、山岸と高嶋が首を縦にふる。

 おいマジかよ。あの量を全部やれってか。希望はしてたけど。得意なイメージがあるからってだけで。あながち間違ってはいないが、流石にひどくないか?


「できるかな?」

 結局は綿津見もそっち側かよ。まぁ誰かと協力しながらやれと言われるよりはまだマシだ。本当にどいつもこいつも自分の事しか考えないのか。

 

「分かりました。」

「1ヶ月後だからそれまでによろしくね。」

 

 あぁーやる気が失せた。


「じゃあこれで決めることは決まったからどんどん進めていこう。頑張ろうね。」

「OK〜!」

「プレゼンテーション組は今日オンラインで集まろうよ」

「そうだね」

「じゃあ私達はもう帰るね〜」

「僕もこれで」

 

 そんな事を言ってる奴らを横目に俺はパソコンを開いて早速仕事に取り掛かる。

 いつしかあいつらは帰ってしまい綿津見とふたりきりになってしまった。家は姉がうるさいのとひとりで進めたかったから教室に残ったのに。今日は本当に運が悪い日だ。


 

 


 

 

 

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