二人の姉達の孤高な覚悟と想い。そして、塩

不思議で壮大な物語である。
そして、清めの『塩』は欠かせない。

幼い頃に神の不興を買って村外に出された
少年。彼には優しい姉がいたが、井戸神が
絡む事件によって死んでいる。彼は亡き姉
共々 この世ならざるもの を感知する
異能の持ち主でもあった。

『神隠市』(かくりし)は、過去からの
因縁と共に在る。神や妖怪、魔物の類が
大手を振って闊歩している。
 概して『塩』で解決するものではある。

失われた記憶、井戸の底、断ち分かれた
もう一人の自分。アヤメサマと呼ばれる
恐ろしい怪異、呪具、双子姉妹の悲劇。

『神隠村(市)』を巡る物語は、過去と
現在とが捻れては縺れ、分割しては重複
しながら加速してゆく。そして、
双子の巫女の姉、異能の姉弟の姉。二人の姉の真の姿と想いが解き明かされる時。

  如何なる化学反応が起こるのか。


不穏なものには『塩』をかける。粗方は、
それで解決するのだ。

その他のおすすめレビュー

小野塚 さんの他のおすすめレビュー554