『見せ物小屋』であった事その顛末は…。

雑踏の広場の隅に『見せ物小屋』が
掛かる。声を張り口上を述べる真っ暗な
入り口の先には、猥雑で何やら途轍もなく
恐ろしく魅惑的な世界があるのだろうか。
見てはいけない、その閾を超えた時。

手が四本ある女郎が歌い、頭だけがやけに
小さな大男が火を噴く。赤い着物の女が
血塗れの口で嗤う。生きた蛇を、貪り
喰らう。

   畸形の見せ物、禁忌の出し物。

眉を顰める人々に紛れて、密かに忍び込む
 その先には……。

化生の誘い、異様な 自分 が。

優しげな女は 秘密 を口にする。
決して知られてはならない、決して認める
事の出来ない、異形。

無意識が全てを昇華させる、その先には。


優しく冷たい手に導かれた道行には、一体
何が待つのだろうか。