黒百合玲亜が見ていたホラー映画から飛び出してきたのは凶悪な幽霊少女のセリエルだった!なぜ映画の人物が現代に?彼女は本物の幽霊?いくつもの謎と共に、玲亜とセリエルの共同生活が始まります。
この物語の見所は、なんといっても悪霊セリエルの存在!映画の中で大量の殺人をおかした彼女は紛うことなく本物の「悪霊」です。アイスに懐柔されてちょっとデレてしまう可愛い一面はあるものの、玲亜のことは殺しても良いと思っているその緊張感が物語に絶妙なスパイスを与えています。
時折挟まれるホラーシーンは思わずゾクッとしてしまう程ですが、セリエルの強大な力が発揮されるシーンは圧巻。ものすごくスカッとします!
ホラーあり、バトルあり、そして物語の根幹に位置する「蜘蛛巻き事件」。後半に行くにつれてスルスルと解かれる真実も面白く、とてもエンタメ力のある作品です。
玲亜とセリエルの二人が織りなす一連の事件を、ぜひ結末まで見届けてほしいと思います!美味しいアイスと共に、文句なしのハッピーエンドをどうぞ。
古来より異類婚姻譚などがあるように、人あらざる者の魅力というものは、計り知れないものがあります。ひと昔前は異能使いの浮世離れした美少女、昨今では異世界のエルフなんかが代表例に挙げられるでしょうか。
本作でも、その魅力は発揮されています。映画から飛び出した、不気味で恐ろしいけれど甘いものが好きな幽霊少女・セリエル。彼女と怪異に挑むファンタジックホラーは、セリエルの魅力と共に、力強く牽引されます。
出会いと可愛らしさが押し出された第1章から一転、悪霊としての本性が剥き出しとなる第2章で、更にその魅力に奥行きが生まれたと感じました。
曰く、バケモノにはバケモノをぶつけんだよ。
あるいは良薬は口に苦し。
悲鳴(スクリーム)を奏でる幽霊少女は、決して甘くありません。
自室でホラー映画を見ていただけの玲亜くん。彼は映画から飛び出してきた悪霊少女のセリエルに殺されかけそうになり、でもアイスクリーム美味しいね、契約おっけーだよ──そんな、ほのぼのとした九死一生の一幕から物語は始まります。(注、実際の悪霊少女ちゃんはこんな喋り方をしません。もっとナイフのように鋭いです)
【ここが良いところ①】
悪霊少女ちゃん。映画の中では大量殺戮をしていました。『悪霊だけど本当は悪くない子だし人も殺しません』という設定的な悪霊ではなく、『理由はあるけど人間をたくさん殺しました』というガチの悪霊さんなので、突然、凶暴性を発揮するのではないかと、期待しながら……じゃなかった、ドキドキしながら読めます。
そんな彼女が他の悪霊と出会ったらどうなるのか。はい、待ちに待った『狩り』の時間が始まるわけです。まだこのレビュー時点では1場面しかありませんが、容赦ないドSな断罪シーンは必見!(でもこのシーンを読んで、なんかブチブチした食感のものを食べたくなった方は、たぶん病んでいます)
【ここが良いところ②】
ギャラクシー・シャークVSヤマタノオロチVS皇帝ペンギン
急になに言ってんだ……と思った方。ええ、なにを言ってるんでしょうね。補足はしません。
全体として、会話文もスルスル読めますし、悪霊少女以外のキャラ立ちもしっかりしていて、隙なく完成度の高い作品だと思います。
興味を持った方、是非ともお読みくださいませ!
主人公の少年、玲亜の部屋のテレビで流れているのはホラー映画の一場面。
恐ろしい惨劇、それを行うのは美しき悪霊の少女であるセリエル。
そう、あくまでこれは映画でありフィクション。
だからこそ、こうして彼は観ていられるのだから。
――そう、赤き雷鳴が轟くまでは。
どうしたことか雷のせいで起こった停電が回復すると、画面の中の世界の人物であるはずのセリエルが玲亜の目の前に。
架空の人物であるはずの彼女は、玲亜に触れることもできれば、人を拘束することも、首を絞めることも可能!
人間を憎み、人を超越した能力を持つ彼女ですが、玲亜の説得(という甘い誘惑による懐柔策)により協力をして元の世界に戻れるように共に歩んでいく契約を交わします。
セリエルは恐ろしい力を見せつけ背筋を凍らせる一方で、玲亜から提供される甘いお菓子の魅力に都度、新世界を体験し蕩けんばかりの表情をみせていきます。
そのギャップに時に慄き、時にくすりとしながら、彼らは周りで起こる不穏な事件に向かい合っていくことになります。
契約から始まった二人の関係は果たしてどうなっていくのか。
皆様もぜひ見届けてみてはいかがでしょうか?
鑑賞していたホラー映画から、悪霊少女が飛び出してきた――!?
雰囲気たっぷりの恐怖シーンから始まるこの物語は、超個性的&訳アリな主人公の玲亜君と悪霊美少女のセリエルが出会い、手を組み、謎を解き明かしてゆくオカルト系ファンタジーです。
映画の悪霊なだけあって凄惨な過去を持つセリエル嬢ですが、どこか可愛らしさもあるのは、彼女が時折り見せる子供らしさからでしょうか。それでも見に宿す悪霊パワーは非常に危険なものであり、遭遇してしまった玲亜君は自分や恩ある人たちを守るため、一生懸命に懐柔策を考えるのです。
彼が考えた方法、それは――餌づけ、というお約束の!
そこから始まる縁によって、少年は怪奇現象が巡る日常へと立ち向かうことになっていくのでした。
とにかく玲亜君が(見た目も言動も)可愛いのですが、この物語には個性的な同級生が他にも出てきます。彼ら、彼女らとの絆が、どんなふうに物語へ絡んでくるも楽しみなところ。
ひんやりアイスを用意しつつ、ぜひこちらの物語をご一読ください。