見える人、見えない人

 霊に関しての相談を受ける人のお話。

 という要約ではあまりに大雑把なんですけど、でもうまく言えないのでとりあえず読んでみてください。
 面白かったので。いやもう、本当に良かった……なにこれすごい……。

 現代もののホラーなんですけど、いわゆる怪談的なそれというよりは、しっかり人物やそのドラマがある感じのお話。
 なんらかの出来事が発生して、なんらかの解決へ至るタイプの物語で、とにかく読み応えというか語りの手触りが凄まじい。

 最初はほとんど物事の全容が見えないまま、登場人物の語りを聞かされる形になるんですけど、もうそれ聞いてる(読んでる)だけで面白いのだから途轍もない。

 個人的な感想としては、「怖い」よりも「厭」がぎゅっと詰まったお話。
 特にこう、キリヤくんの事情が……というかお母さんが……。
 なんかもう読めば読むほど「うわあああ」ってなって、なのに目が離せない感覚が最高でした。

 本当にぐいぐい引っ張られる感じ。
 これがどこまで転げ落ちていって、最終的にどう着地するのか。ドキドキしながら貪るみたいに読みました。

 全然感想をうまくまとめられないんですけど、面白かったのは間違いないです。
 おすすめなのでぜひ読んでみてください。