第2話

前回までの粗筋:

岩手県奥州市の水沢江刺駅で新幹線にはねられ

群馬県伊勢崎市に転生した


本文:

「北関東には暴走族がまだいる」と聞いた事はあったが、ここまでとは思わなかった。

ありえない大音響のバイクの音が、はるか遠くから聞こえる。アレは何だ?

僕は通りすがりの人にきいた。


「伊勢崎オートだよ。オートレース場がこの近くにあるんだ。」

なんだ、オートレース場か… 地元岩手県には、近所に水沢競馬場があったが、それとは真逆の騒音だ。

「待てよ、そういえばオートレースなるものは見た事がない。せっかくだ。後学のために見ておくか。」

僕は爆音のする方向に向かい、生涯初のオートレース観戦としゃれこもうとしたが、


そこで見たものは…

古代ローマの剣闘が如き、バイクに乗った戦士の殺し合いであった。

戦うは、古代の甲冑に身を包み、超大型バイクに搭乗した2人の戦士。

絢爛な装飾をあしらった槍を手にし、虎の如き巨大なバイクを意のままに走行させながら互いの首を狙っていた。

すれ違い様に槍が打ちあう音が響き、その度、一層の歓声がレース場から湧き上がる。

歓声の中に聞き取れる罵声も、文字に起こしてみれば、それはおおよそ文明人とはかけ離れた言葉選び。

「ほら、〇ね!首を突いて〇せ!おめえが勝たないと俺が死ぬんだよ!」

「てめえそれでも男か?俺ぁお前の負けに120万賭けたんだぞ!とっとと〇〇でくれ!」


群馬県?

群馬県ではあってもここは現世の群馬県なのか?


そして、僕の嫌な予感は…

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異世界転生かと思ったら 前橋ゆたか @maebashi-yutaka

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