後書き
カクヨムでのデビュー作を無事に書き終えることが出来ました。
読んでくださった全てのみなさまに感謝いたします。
夏の休暇中のふとしたイタズラ心から今回のプロジェクトがスタートしました。
「50話くらいの中編」
「喪って、最後に何かを得る物語」
「等身大の高校生であること」
出発点をそこに置いて物語作りが始まりました。
次に考えたのは
「最終回の前の回で主人公は大事なものを取り返すために走らせたい」
「ヒロインは最後の最後で家を出ようとする」
「浮気と一言で片付けられない話にしたい」
「対照的な二人のヒロインを置こう」
そこからあれこれを構成を考えていく過程が書き手として、とても楽しかったです。
そして、読者のみなさまからの反応も大きく、すごく嬉しかったです。
瞬と天音は、ハッピーエンドに見えて、この「後」が大変になるわけですが、それは二人を信じたいなと思います。
陽菜ちゃんは温かい家族に支えられて次の恋に向けて歩き出すことでしょう。
健君は……
「親父」が支えてくれると信じます。
妹の美紅ちゃんの話だけは、本当に惜しかった。「50話」の制限のため
泣く泣く削ったエピソードがありました。
最後の最後で登場させるのは、小説のお作法の中では御法度ですが、一応、存在だけは「プリクラ」のくだりでほのめかしてありますので、そこは見逃してください。作中では描かれてませんが、何度か美紅と天音は会っていますし、こっそりと天音に文句を言ったこともあります。
最終話のタイトル「逢ひ見ての」は百人一首にも載せられた和歌の一部です。
『逢ひ見ての のちの心に くらぶれば
昔はものを 思はざりけり』
権中納言敦忠
意訳すると
『あなたに会えた後の恋しい気持ちを知ると、今までの私なんてあってなきがごとしです」
とでも言いましょうか。
今風に短く言うなら「あなたに会えて世界が変わった」って感じです。
この和歌の「私」は瞬であり天音であり、そして陽菜です。
あるいは、それが読者様でありますように。
それでは、またどこかでお会い出来たらと存じます。
なお
物語の舞台は東京のどこかです。
公園は小金井中央公園をイメージしています。
作中に出てきた美術館とカフェは
日本で一番美しいスタ○と言われる
富山環水公園店のテラス席
金沢21世紀美術館をイメージしていました。
どちらもとても美しい場所です。
高校生のデートにはピッタリ。
ぜひ一度ごらんください。
辛かったけど真の彼女ができました 新川 さとし @s_satosi
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