そして王女は剣を取る

魔戦時代と呼ばれる勇者と魔王が争った人類史上最大の大戦争。
十数年と長きにわたる戦争の結果は、勇者と魔王の一騎打ちが引き分けたことによって幕を閉じた。
戦争は終わり、勇者が建国したアルタリア王国は千年の時をかけて現在まで繫栄してきたのだ。
しかし、自由の象徴とまで謳われたアルタリア王国は今では、上層部の私腹を肥やすためだけに打ち出された身勝手な計画によって閉ざされた鳥籠のような地獄と成り果てようとしていた。
そんな王国の運命を変えるために、第ニ王女・フローリアは立ち上がる。
たとえ禁忌を犯そうと、茨の道だとしても。
自分が好きな王国を守るために、彼女は戦うことを決意する。

「それがお前の覚悟か。気に入った。俺が、お前を助けてやる」

これは、その地獄と成り果てる王国を、世界を救うために剣を…続きを読む