真偽

「あれ、あの日記売れたの?」

俺、もとい言葉 綴がお店を出た後、一人の少年が古書店へ入ってきた。

「えぇ、先ほど。」

「えーじゃあ、僕がした落書き見られちゃったってことでしょ?

恥ずかし~、漢字の練習なんて日記にするんじゃなかった。」

「いいではないですか、可愛らしくて。」

そんな事を言いながら少年は本を選んでいる。

「ん~…、これにしよっかな。

今月サッカーのために靴買っちゃったからピンチだし。」

少年は一冊の本を店員さんに渡すとちゃっとお金を払って言った。

「あ、でも。

お喋りしたいからって勝手に僕のことだしにしてその人ひっかけたら駄目だよ。」

「ふふ、それはどうでしょう…。」


店員さんもとい白雪 記は片目をつぶり、唇にしーっと指を当て妖艶に微笑んで見せた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

陶器人形と語らいを らんぐどしゃ @ramanama20

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ