生産チートで常識はずれな物をガンガン作って名声ドンドン上がって手を出してくる奴は返り討ちというのも悪くは無いですが、この話は名刀を作れるだけの主人公の話。
お偉いさんに振り回されっつ時には逆に振り回し自分が作った名刀にお偉いさんと一緒に振り回される事もしばしば、単純に名声が上がったので新しい依頼が来たというのではなく作った刀が評価された結果仕事が来る過程を丁寧に書いている。
製造工程の描写はあまり無いですがその分完成品の素晴らしさの描写は丁寧でねちっこいほどで主人公の作品に魅了された人々の内心描写が素晴らしいです、もっとも作品に魅了された人間が主人公に利益を持ってくるとは限りませんが。
世には魔剣、聖剣がある。
怪しく美しく輝き光り持つ者の心や運命を弄ぶ超越の技巧の代物達。
しかしながらそれらを作った者達について描写されることは殆どありません。この作品はそこに焦点を当てた作品。
良い剣を作りたい! その一点で量産される魔剣、聖剣!
暴走する職人魂!
世の中の混乱なぞ知ったことか、良い物を作りたいんや!
と、超越の剣を作り続ける暴走職人達が愛らしく面白い。
暗い感じになりがちな職人の話ですがこれはそんな部分は全くありません。お前ら止めろと心の中で叫びながら読む作品。
熱き職人魂を追体験したい貴方。これを読むと良いですよ。