あなたと私の近くて遠い恋の距離感……。この想いは届きますか?「G’sこえけん」音声化短編コンテスト作品 

作者 kazuchi

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★★★ Excellent!!!

このお話はこえけん応募作品のため、ヒロインの萌衣ちゃんの通信会話のみの構成となっています。

どうやら彼女は想い人の『お兄ちゃん』と遠距離恋愛をしている様子。
その通話内容から2人の"遠距離"は普通ではないようで……。

徐々に推測される2人の住む世界の謎、障害があっても決して諦めない健気で可愛い萌衣ちゃん。

声だけの構成なので、ヒロインの表情などは一切描写がありません。でも読んでいると彼女の気持ちが痛いほどに伝わってきて、心から応援したくなります。

セリフだけで、ここまで読み手を引き込める作品はなかなかありません。
作者さんの文章力、そして愛されヒロインの魅力を堪能してみませんか?

是非、彼女の声を聞いてみてください!

★★ Very Good!!

『音声化短編コンテスト』の応募作ということで、主人公『萌衣』の視点で綴られる、台詞のみの作品となっています。こういう形式は『台本小説』や『台詞のみSS』などとも呼ばれ、本格的な小説を書き始める前の段階として、見たことがあったり慣れ親しんだ人もいるかと思います。

しかし本作はそうしたシンプルな表現方法でありながら、『お兄ちゃん』と会えない萌衣の寂しさや迷い、それでもお兄ちゃんに向け続ける健気で深い愛などが、情感たっぷりに伝わってくる作品でした。地の文が一切ないのに、恋愛短編小説として高い完成度を誇っているのはお見事です。
その中で断片的に語られる『階層』や『治安警察』などといった単語から、近未来であり強固な管理社会であることも察せられます。『田舎と都会』や『日本と外国』といった次元ではない、SFチックな遠距離恋愛という部分においてもオリジナティがあって良かったです。そんな環境でも二人の消えることのない愛情や、萌衣の過ごした時間や努力が実を結んだラストは、とても感動的で幸せな物語だと感じました。『次世代の遠距離恋愛ストーリー』という感じがしましたね。

ただ、世界観や設定の説明をちょっとボカし過ぎている気がして、「どういうことなんだろう?」という疑問符が終盤までずっと付いて回り、せっかく素敵な物語なのに100%は没入できないのが、非常に勿体ないと思いました。
しかし台詞のみで説明しようとすると冗長になってしまい、それに世界観を細かく解説するのが主題ではないのですが……。それでも『二人は会えない状況にいる』という部分を、もう少しだけ分かりやすく強調できていれば、更に万人受けする物語になったと思います。まぁ『コンセプトを貫く』ことと『誰にでも分かりやすく書く』ことを両立するのって、メチャメチャ難しいんですけどね……。

とはいえ、この物語が声優さんによって声を吹き込まれたのなら… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

この物語は、ヒロイン一人の台詞のみで成り立っています。
それでも、物語の舞台が手に取るように分かり、ヒロイン萌衣と「お兄ちゃん」と呼んでいる恋人が奇跡のように出会い、そして会えない日々を送っていることが読み取れます。
会えない恋人に、一生懸命想いを伝える。その手段も困難に成り行く状況で変わっていきます。
会えない不安に時に負けそうになりつつも、最後まで諦めない萌衣がとてもいじらしくて可愛い。いつの間にか彼女に感情移入して一気に読んでしまいました。
これぞ究極の遠距離恋愛と言うべき作品。おすすめです!

★★★ Excellent!!!

ヒロインの女の子のセリフだけで成り立っている物語です。儚く切ない世界観の中で、必死に自分の想いを伝えるヒロインの萌衣。最後の2話では柄にもなくうるうるしてしまいました。彼女の想いが辿り着いた先を、ぜひたくさんの人がそれぞれの目で確かめて欲しいなと思いました。

音声化短編コンテスト作品、私にとってはこれ以上ない作品でした。

★★★ Excellent!!!

全編がセリフで、そして話すのはヒロインの萌衣だけ。それでも広がる世界が鮮やかで、彼女が一生懸命に恋をしているのが伝わってきた。
レター、便箋、そして。
ああ、奇跡はあったのだ。本当によかった。そう思わせてくれる作品でした。
たった一人への健気な語りかけを、ぜひ多くの人に見ていただきたいと思う。

★★★ Excellent!!!

ヒロインの「萌衣ちゃん」による、セリフオンリーの作品です。

セリフだけでも、彼女のいる世界のことが伝わってきました。女性でも楽しめると思います……!

健気な萌衣ちゃんの姿に、「お兄ちゃん」との恋を応援したくなること間違いなしの、素敵なお話です!

★★★ Excellent!!!

 G'sこえけん応募作品なので、女の子の語りだけで進んでいく作品です。
 可愛らしい始まり方からは想像がつかない程の、SF的な世界観や謎が、少しづつ、あちらこちらに散りばめながら進めていく手腕は流石としか言いようがありません。
 本日最終話が投稿されました。
 今読むべき恋愛小説です。

★★★ Excellent!!!

聞こえてくる一方的な通信だけでストーリーが紡がれるというすごい作品です。

情景はおろか、ヒロインの茅野萌衣の一方的な声しか描写されておりません。
この兄妹に何が起きたのか……、色々と想像がめぐってしまいます。

まるでSF映画を見ているかのような没入感もさることながら、どこか綺麗でキラキラしている素敵な物語です。

ぜひ、一度ご一読下さい。
まるで自分が“兄”になっているような、そんな気分にさせられますよ。

★★★ Excellent!!!

読ませて頂きました!舞台装置や設定を丸ごと削ぎ落とし、セリフとキャラクターに対しての妄想を促す構成になっています。面白い試みです。唯一のキャラクター像情報はあらすじだけであり、茅野萌衣の一方的なセリフから色々状況を紐解かなければなりませんが、それがこの作品の楽しみ方と言えます。重なる言葉の果てにあるラストは、一見の価値ありです!