第14話 二足歩行をやめた影響
一日一日を寝て起きて寝る、それだけに費やす日も増えた。
救急で目が覚めて、その後も夢と現の間を行ったり来たりしながら数日を無駄にする。
そんな風に時間を消費していると何が起きるでしょう。
まずは認知機能の低下が私を苛みました。
家族と共に訪れた図書館で本を借りようとした際、カウンターにいた司書さんの話している内容が全く理解できずにとぼとぼ帰ったことがあります。相手は確かに日本語を話しているはずなのに、私の頭の中でそれが意味として形を成さない、全く意味がわからないという経験があって、「私ヤバいな」と初めて気づきました。
相手の話している言葉がわからない。単語と意味とが結びつく前に頭の中をすり抜けて行ってしまう、といった感じでしょうか。
そしてとうとう、自分の名前を呼ばれたことに気づくのが遅れるようになってしまうまでに。
他人とろくな会話も交わさず、部屋や病室に閉じこもって、外の景色を一切見ない。
こうしていると脳を動かす必要が無く、一気に認知機能の低下が起こります。
文字が読めなくなり、他人が話す言葉の意味が分からなくなり、状況判断もできなくなりました。
身体的な影響もありました。
寝てばかりいたせいか、足指の爪が巻き爪に。
皮膚科の医師によると「人間はしっかり地面に足をつけているから爪が巻かずにまっすぐなんだ。地面からの圧が無くなる環境にいると鳥のような爪になる。」らしいです。
(爪が皮膚に刺さって痛い→歩きたくない→さらに巻き爪に)この負のループを断ち切るためにいろいろと苦労しました。
その他、人間本来の「二足歩行」をしなかったせいでそれはもういろいろな悪影響が私を苦しめることになったのですが…これはいつか別の機会に。(フレイル予防や運動学、コグニサイズなどと絡めて啓発的に書きたいと思っています。)
元合法ヤク中の慟哭 キヲ・衒う @HanketsuZoroli
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