ジワジワ侵食されていく感覚

 一言で言うと、「何これこっわ……」という感じであった。

 どんどん「妹」というものが消えていく。最終的には「猫」そのものになってしまい、妹など最初からいなかったことになってしまう。その繋ぎが全く不自然ではなく、私が上に書いた一言紹介の通り、ジワジワ侵食されていく感覚がした。
 どんどん「妹」が、「猫」に蝕まれていく。


 結局あの薬を道端に捨てた(はたまた意図的に置いたのか?)のは誰なのか。何が目的なのか。それを聞くのは、野暮というものなのだろう。

 完全に夏、と言い切れるようになったらまたこの作品に戻ってきて、背筋を少しだけゾワリとさせたい。そんな作品だった。