まずタイトルが良い

>現代における神は、きっと9%のアルコールで構成されているのだろう。
(1話のここすき

さて3話まで読み終わり公式に完結が示されたので改めてレヴューを
まず『夕凪と遠雷』というタイトルが非常に文学的で(ここ含め全て私見です

全体として夏場に飲む無糖の炭酸飲料のような爽やかさが感じられる
BLを基本たしなまない自分には3話がちょっとゲップが出ましたが(比喩

総合的に見て「あゝ、令和の文学であるな」という印象にまとまる良作
そういえばストゼロ、もはや昨今は季語味ない?

そろそろもうちょっと真面目にコメントをしようと思う

冒頭、主人公・凪帆はその名の通り風のない海を漂う船のようである
彼は文字通りの『嵐』と遭遇し、避けることではなくそこに進むことを選んだ
風に吹かれてこそ帆は張るものだからだ

物語の骨子、構造は非常に純粋で簡潔にまとまっており読みやすい
裏返せば物足りなさがあるとも言えるが読後の清涼感に一役買ってもいる

興味が湧いた方は、この猛暑に涼し気な炭酸飲料をおひとつどうぞ

その他のおすすめレビュー

アオイ・M・Mさんの他のおすすめレビュー28