恋よりも恋に近しい

錦魚葉椿

第1話

 高校はプラットホームのようだ。

 新幹線と特急電車とローカル汽車がいっぺんに走るような駅。

 ここから先は交わらない次元を行くとしても。

 私たちは同級生として3年間の狂乱の祝祭を過ごす。


 ある者はいずれ新幹線のグリーン席に乗っていくだろう。

 またある者は自分に相応しい程度の特急車に乗って去り、ボロボロの普通電車にしか乗れない人間もまたそこに混じっている。

 10年後には大きな格差が空いているだろう私たちは、陰キャだとか陽キャだとか、趣味だとか特技だとか。大人から見たらさして価値のないものさしで、平等に一緒くたに過ごしている。

 この祝祭はまもなく終わる。

 祭の終わりには究極に孤独なそれぞれの戦いがまっている。


 地方の最上位公立高校は成績の幅が大きい。

 進学校と呼ばれるからには、確かにある程度以上のポテンシャルをもった学生が集まっているとはいえるものの、一瞬の最大風速で奇跡的に合格を勝ち取った程度の者から、学力に相応しい上位の学校が通学可能範囲にないからという地方ならではの事情でこの学校を選んだような者もいる。

 毎日の小テストに定期試験に実力テスト。

 予習と復習と試験対策と試験直しと。

 傷口が癒える前に次の試合に引っ張り出される満身創痍のボクサーのよう。試験のたびに、自分の地位を自覚させられる。

 世間に恥ずかしくない大学に行けるのかどうか、不安で息が詰まりそうでも、それを吐き出せる先はない。

 親に言うのはめんどくさい。

 先生に言えば勉強方針のアドバイスが返ってくる。

 同級生は同じ戦いのうちにいる。

 この重荷は自分で背負うべきものであり、それを背負わなくて終わる戦いはない。私たちは虚勢を張り、楽しそうに振る舞う。



 6月、深緑のメタセコイヤは美しい。

 針葉樹的なまっすぐの円錐形フォルム。春にはすべて新しい萌黄色の葉に入れ替わり、秋にはレンガ色に紅葉する。枝に雪が積もった日は白い葉のようで幻想的だ。均一に植えられた小道は写真集で見るイギリスの風景のよう。

 私は初夏の姿が一番好きだ。

 柔らかい葉の間から零れ落ちる光。渡る風がさわさわと枝葉を揺らし小さな音を立て、雨上がりのしっとりした空気に土の匂いが溶けている。

 その林のような木立に包まれた木造二階の旧校舎、一番奥が我らが天文部の部室だ。

 建付けの悪い木造の扉を開けると、埃っぽい匂い。

「帆多花ぁ、今日のお菓子なーにー」

 扉が開いた音に気が付いて、美羽が声をかけてきた。

 全国高校生的偏差値からいえばそうでもないかもしれないが天文部的には陽キャ扱い。

「ポテチ」

 家庭科室だった名残を残す大きなテーブルには、黄色と灰色の北欧柄のテーブルクロスがかけられている。

 BIGサイズのポテチの袋を渡すと部長の静田が真ん中から広げて開封した。スナック菓子の袋を開けるのは部長の重要な任務だ。別に尊敬しているわけでも年上でもないが静田は部長じゃない頃からあだ名が「部長」だった。

 副部長の由希が小型冷蔵庫からベットボトルを出して人数分のジュースを注ぐ。

 由希はしっかり者の世話女房タイプ。部長とは恋人同士だが、周囲の居心地を悪くするようなことはしない。

 大型ごみから拾ってきたソファ、先輩たちが置いていった山ほどの漫画。

 ここは私たちに、ほんの数時間許された癒し空間。

 現在部員6名。3年生のみ。

 部費の目安は月千円。

 部活の活動目的は「この部屋をより居心地よいものとすること」。

 ちなみに星に興味のある者はいないと思う。

 先月、トランプが部長により持ち込まれ、最近は熱狂的に“大富豪”をしている。

 溝口がずりさがる眼鏡を押し上げながら、トランプをシャッフルする。美羽がうっかり喜んで見せたもんだから、かっこよく札を切る技術習得に必死だ。

 溝口は美羽になんども告白してほとほと嫌がられている。

 痩せた骨格はだいぶ猫背。鼻がぺちゃんこで上を向いていて、髭が濃くて顎がしゃくれている。悪魔属性のコウモリに似ている。

 そんな彼が器用にトランプを操る様子はまんま黒魔術師だが、そこは触らないでおいてやる。もしかしてこの技術が将来、彼の身を助けるかもしれないからだ。

「宴会部長」としての類のものだけれど。

 

 北欧柄のテーブルクロスの上で宿題をしているのが私の推し、須崎。

 溝口の中学時代の友達として引っ張ってこられた。

 平均点が32点の200点満点の数学の試験で196点を叩きだす異次元の男。

 彼が数学の最高得点を争っている男だと知っているのは数学の担当教員ぐらいじゃないかと思う。存在自体がクラスでも周知されていないかもしれない。背景のように地味な顔をしている。いつも誰かの後ろで照れくさそうにニコニコしている。

 天文部っぽくいったら「天王星」ぐらいかな。

 とりあえず輪にははいっているけど。だいぶ外側。

 ノートを見るとなお、賢さの片鱗を感じさせない。

 彼の字は小学生のように幼い。

 ひらがなの「な」の点は水平の横棒だし、「さ」はちの鏡文字。

 数学のぶっきらぼうな設問の下に、彼が汚い字をならべていくのを見ているのが好きだ。

 平仮名と同じぐらい不格好なアルファベットを一瞬のよどみもなく書き続けていって、初めから答えを知っていたかのようにふわりとその数字に着地する。

 全然考えている様子もない。

 私が見ていた解答集をちらっとのぞくと、それだけでおしまい。

 須崎は溝口に声をかけて、私と自分にも札を配るように促した。


 彼にとって最難関校の数学の試験はトランプ並みの娯楽。

 須崎は私と生きる次元の違う人。

「推し」だけど「好き」ではない。



「ねえ、卒業旅行にさあ、みんなでスノボしに行こうよ」

 美羽がどこかの旅行代理店からパンフレットをもらってきた。

 青い空に樹氷の写真。色鮮やかなスキーウェアに満面の笑顔が目と心に刺さる。

 ほんの9カ月先のことなんだろうけど、本当に来年の三月が無事に来ないような気がする。みんな受かってて一人浪人生になるとしたらどんな気持ちで参加したらいいかわからない。

「滑ったら滑ってたで、どうせさらに一年先なんだから」

 由希はいつもポジティブだ。

「卒業旅行か。いいね」

 スライド式の古い黒板を手に届くところまでおろして、部長が仮想スケジュールを記載し始める。スノボが、というか運動が全般的に苦手な溝口はなんとかスノボの時間を少なくしようと温泉を提案する。

 ツアーがお手ごろだとか、どうせ行くなら観光も行きたいとか、みんな好き放題いいはじめる。

「みんな全国に散るだろうけど、こんな風に毎年集まれたらいいよねえ」

「そうだねえ。年に一回ぐらい、お盆とかさ」

 私たちは次の春はどうなるかわからないけれども、そこから先はそんな将来があると信じていた。


「すなーわちぃ」

 口癖の「な」が高音でひっくり返る現代社会のスナワチ先生はプロジェクタを投影するため教室を暗くする。暗くするのは良くないと思う。半分ぐらい睡眠学習中だ。

「欲求五段階説っていうのはあ、人間の欲求というのは人間の欲求は5つのステップで構成されており、下位層の欲求が満たされると、より次の階層の欲求が表れるっていう理論なんだな」

 教科書に朗らかな絵とともに描かれた三角形。

 生理的欲求、安全欲求が満たされたら、愛情欲求、自尊欲求と階層があがっていって、自我が芽生えた人間は自己実現欲求を持つようになるそうだ。

 おかしい。

 何かを愛したいという欲求と人に認められたいという欲求を省略して、大学という自己実現を要求される私たちの歪な三角形。

 恋ではない「推し」を自己実現欲求の下にそれっぽく挟んでごまかしている。

 恋を突っ込んだらイケナイ。

 すべてがめちゃくちゃになってしまう。



「はい、筆記具おいて。後ろから答案送って」

 後ろから送られてきた明日香の数学の答案は本当に真っ白。

 思わず、明日香と目が合って苦笑いをしたら、彼女はすっと問題用紙を隠した。

 提出しない問題用紙にびっしりと答えが書かれている。

 一瞬、頭が真っ白になって、私は明日香を見つめた。

「おい、矢田。旦那が呼んでるよ」

 クラスメートの男子が明日香を呼ぶ。指し示された廊下をみたら、“旦那”と呼ばれている明日香の彼氏、有岡が私たちを睨んでいた。

 嫌な目だ。

 廊下からじっとりと明日香をみて、そして憎しみのこもった視線で私を射る。

 明日香は何げない様子で一旦は隠そうとした問題用紙を私に押し付け、感情をひた隠した視線だけを残し、廊下に連れ出されていった。

 中学校の頃は明るくてたくさんしゃべった。親友だったのに、部活が一緒のあの男と付き合い始めてから、会話できなくなった。

 有岡は明日香が他の誰かとしゃべることも嫌がる。明日香の成績が自分よりいいことは絶対に許さない。登下校は勿論、学内でも部活でも二人はずっと一緒だ。

 成績も下がりっぱなし。

 あの男は見た目がよくて誠実そうに見える。

 仲がいいね、とポンコツなことを言う奴が多い。

 違う。あれは監禁中。

 明日香のスマホは本人よりあの男が触っている時間が長いから迂闊に電話も掛けられない。

 夜はずっと有岡が電話を掛けているから掛からない。

 明日香が私に問題用紙を押し付けた理由を本人に尋ねることは、できない。




「結構、あってるね」

 須崎はちらっと見ただけで、そういった感想を述べた。

 びっしり答えが書かれている問題用紙は北欧柄のテーブルクロスの上。

「矢田さんは、問題用紙に答えを書いて、答案用紙に書いていなかった。そしてこの問題用紙を帆多花に押し付けていった。と」

 須崎は私を名前で呼んだ。

 いままでどうだっただろうか。意識したことがないからよくわからない。

 雨が降っている。窓ガラスに張りついたメタセコイヤの葉が重たげに垂れていた。

「で、この答案用紙をどうすべきか悩んでいる」

 静かに問題を提示されて頷く。

 部長と由希は部活の予算会議でまだ来ない。

 溝口と美羽はどうしたのだろう。

 運動部の歓声がない放課後はひどく静かだ。

 

 明日香が意図的に成績を下げていることは確かだ。

 有岡の成績は上がるはずがない。明日香を支配することにすべての精力を費やしている。

「僕にも矢田さんが本当にこのままでいいと思っているようには見えない」

 このままなら地元のFラン大学に追い込まれ、大学もずっと有岡と一緒に過ごすだろう。有岡はそれを切望している。

 でも明日香は多分そうじゃない。

 まだ、彼女の心は支配されていない。

 高校生活に恋を持ち込んだため、食い散らかされた明日香の人生を心から気の毒に思う。

「明日香が望んでいるようになるかどうか、わからない」

 須崎はまっすぐ私を見た。

 いつものように微笑まず、ほぼ無表情で。

「そういう面倒ごとに積極的にかかわっていくところはいいところだと思うよ。帆多花が考えるようにしたらいいと思う」

 そして彼は宿題を始めたので、私は明日香の問題用紙を畳んで、ポケットに入れた。


 私は暫く考えて、問題用紙を数学の別府先生に渡した。

 別の学年だけど、二人の部活の顧問。

 この問題用紙を渡された状況と、彼女が何を望んでそうしたのか確認が取れないが、単に点を取らないなら書かなくていいだけのテストをこれだけ解こうとするのは助かりたいと思っているのではないかと思う、と言い添えた。

 先生は黙っていた。

 部室に戻りながら、失敗だったかもしれないと後悔した。



 美羽が急に須崎の横に座るようになったので、私は由希の横に移った。

 美羽と須崎が急に近づいていくのを溝口はイライラしてみている。

 もし二人が付き合い始めたとしたら、いままでのように彼を自由に推すことはできないから、残念だと思った。

 でも、本当は安心している自分もいることに気が付いていた。

 疑似的な恋は自分の心の中だけで丸く丸く、支配することができる。愛情要求を充足させることが目的なのだから、それ以上のモノはいらない。

 明日香のようにはなりたくない。

 ほんのりとした疑似的な失恋を楽しむのもまた、悪くないと思えた。



 ここ最近、溝口はずっとイライラして人に当たり散らしていた。

 今日は顔色も青く、緊張しているように見えた。

 どうかしたのか、と具合を問うた部長の前で、彼は両手を広げて立ちはだかると、ややあって小芝居のセリフのように口を開いた。

「美羽は須崎のことが好きらしいんですが―――――」

 須崎はびっくりした様子で、美羽を見て、それから溝口を諫めるように見た。

 美羽もそんな風にアウティングされるつもりはなかったようだ。やめてよと小さく呟き、溝口の腕を押さえる。

「須崎はどうなんですか。はっきり答えて下さい」

 もちろん、須崎は黙ったまま反応しなかった。

 無視するな、とつかみかかる溝口を部長と由希が抑える。

 私は泣きそうになっている美羽の肩に手を添え、溝口との間に割り込んで、さらに何か言わなくてもいいことを言おうとする彼の言葉に被せた。

「なんで美羽が聞いていないものを、あんたが聞いて、あんたに答えないといけないのよ。おかしいじゃない」

 すると溝口は長めの首と長い顔をぐにゃりと曲げて私の方を眇め、けっという音を出して威嚇し、それから嫌な顔でにやりと笑った。

「帆多花だって、須崎にグネグネとアピールしているくせに、偽りの平和を漂わせて自分だけ綺麗です、って顔で振る舞うなよ。アタシは友情のために恋は諦めるわって気持ち悪い」

 しゃくれた顎を回しながら私の口調をまねて、溝口はそう言い放った。

 それぞれが瞬間的に言っていた、メンバーへの悪口を滔々と暴露し続ける。

 黙らせることはできなかった。

 自分の失恋と道連れに美羽と須崎の関係も破壊しようとしている。

 空気が凍えていく。

「美羽も私も友達以上として須崎のことが好きなわけじゃないよ。―――――あんたみたいに頭が悪いわけじゃないから」

 私が何かのフォローを入れようとしたとおもったのだろう。

 続けた言葉に由希は目を丸くしたのが視界に映る。

「なんで推しって言ってると思うの。この時期にそれを持ち込もうとするのって互いに迷惑の極み。受験生のお作法ってもんじゃない」

 溝口の顔はいよいよ滑稽に見えた。

「好き嫌いを論じる以前に、美羽はあんたのこと気持ち悪いって。気持ち悪いって人間に対する言葉のチョイスじゃないのよ。四足歩行の哺乳動物にすら使わないわ。部活の一人だからギリギリ耐えてるだけよ。もはや存在がセクハラなのよ」

「そうね。本当に不愉快。このクソがって思ってる」

 我儘そうに見えるが美羽は気を使うタイプだ。きっといままで曖昧な言い方で流してきたのだろう。むき出しの本音が一発で溝口にとどめを刺した。

 饒舌に語ったのが恥ずかしくなるぐらい、華麗な太刀筋だった。

 彼は力を失い、静かに椅子に腰を下ろした。

「―――――まさに、潮時だな」

 部長が低い声で空気の一切を制した。

 それまで一言もしゃべっていなかった彼は、立ち上がると冷蔵庫の電源を抜いた。

 気にしていなかった古い冷蔵庫のモーター音は失われた瞬間からその存在感を重く感じる。

 部室はしいんとした。

「僕たちは皆3年生だから、天文部引退だ。2年生以下がいないので存続は認められなかった。今日をもって天文部の活動休止とする」

 終わりはあまりにもあっけなかった。

 怒涛のまま期末テストに突入し、予備校の夏季講習に通い始めたらあんなに楽しかった部活さえ夢だったように遠い感触になった。

 美羽は極めてスムーズにクラスの陽キャのグループに復帰し、なんだか気まずいなと思っている間に遠くなった。由希との関係はいままでどおりで、由希とのつながりで部長とは連絡があるが、溝口は勿論須崎とも言葉を交わすことがなくなったまま秋になり冬が来て。



 そして春になった。



 志望校に合格したことを報告しに職員室の扉を開いた。

 これからの一人暮らしについて激励を受け、ぱらぱらとあう同級生に動向を聞く。

 須崎はさすが、というかやっぱりという学校に合格していた。

 部長も由希も美羽もそれぞれ国立の志望校に合格したようだ。私たちは全国に散っていく。

 溝口もとりあえず合格はしたらしい。漢字がたくさん並ぶ似たような名前の多い大学だったので覚えられなかった。


 廊下を歩いていたら保健の先生に呼び止められた。

「あなたが矢田さんのお友達の大森さんね」

 結論を言うと別府先生は有能だった。

 DVに大変造詣が深い離婚経験者である保健の先生に明日香の件を持ち込んだそうだ。保健の先生は知識と経験と職権を駆使して大活躍し、明日香も有岡が何年粘っても合格できないような大学に合格した。春からご両親も転勤の希望をだして家族みんなで東京にうつるらしい。

 素晴らしい連係で、有岡を排除した大人ってすげえと感心する。

「あなたのおかげで矢田さんは人生を取り戻すことができたのよ。ありがとう」

 保健の先生に両手を握られ我が事のように熱く礼を述べられて居心地が悪い。

 どこから有岡に情報が洩れるかわからないからと、明日香の連絡先は教えてもらえなかったが、それでいいとおもった。

 別れ際、保健の先生に、「別府先生と再婚するの」と耳打ちされた。

 保健の先生はちょっと目を引くレベルの美人だからなあ。

 別府先生の問題解決能力の高さにびっくりだ。



 帰り際、鍵を借り、部室に立ち寄った。

 落葉したままのメタセコイヤの並木を通る。

 誰もいなくなった部室はあの日のままだったが、あの日以前のように温かくは感じなかった。損なわれない友情があると思っていたのに。

 友達のまま終わることのできなかった私たち。


 私は部室に鍵をかけ、そのまま鍵を持って帰った。

 恋に近かったその感情を部室に閉じ込め、もう誰にも勝手に開かせないために。

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恋よりも恋に近しい 錦魚葉椿 @BEL13542

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