概要
あの夏、ぼくが出逢ったのは優しいひとつの光だった——
初夏——。
心踊る恋がしたい、と希望を胸にこの町にやって来た一羽のツバメ。
だけど、どんなに綺麗なものに声をかけても、一向に上手くいきません。
そんなある夜、ツバメはひとつの慎ましく美しい光に出逢いました。
心踊る恋がしたい、と希望を胸にこの町にやって来た一羽のツバメ。
だけど、どんなに綺麗なものに声をかけても、一向に上手くいきません。
そんなある夜、ツバメはひとつの慎ましく美しい光に出逢いました。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!去りゆくものへ輝きを
「土食て虫食て口渋い」などと聞きなしされるのがツバメの本来の生態である。彼らは飛翔する昆虫を空中で捕食する。そして、集団で就塒して、季節に応じて土地を渡っていく。
さて、本作のツバメは、およめさんを探してあちらこちらへと飛びまわる。風鈴に話しかけ、女の子に話しかけ、紫陽花にもアゲハ蝶にも話しかける。でも、誰からも良い返事が貰えない。そんな彼が出会ったのは、夜、仄かに光る蛍だった。
彼らの恋模様。
少しでも知識のあるわたしたちならば、それが悲恋に終わることは想像に難くない。
しかし、彼らの出逢いが不幸だったと決めつけるのは早計だろう。
垣根を越え、愛を育み、いずれ再会を約束して永遠の別れへと…続きを読む