勝手な男
どちらが好きか……舞花からの問いに対し、俺は迷っていた。
正直、気持ち的にはもう……未希ちゃんの方に向いている。
本心をそのまま伝えたら彼女は更に傷つける事になる。かと言ってその場しのぎの嘘をついても、恐らく結果は変わらないだろう。遅いか早いかの違いしかない。
それ以前に、俺は舞花に酷い事をした。
そんな俺に彼女を
……はッ。見下げ果てるクズとはまさにだな。
彼女を心配する資格があるかないかだなんて、実に自分に都合の良い疑問だ。
資格がないと勝手に決めてさえしまえばもう、答えは出る。『これ以上、一緒にいても君が傷つくだけだ』……そんな――相手の事を考えている風な自分勝手を言えてしまえる。
迷いは晴れた……いや、最初から迷ってすらいなかったのかもしれない。自分の事なのによくわからない。
ただ――未希ちゃんの事が好きなのは、自分でもどうしようもなくわかっている。
……別れを告げよう。
俺はその場で小さく深呼吸し、舞花の背に言葉を送る。
「俺は……未希ちゃんが好きだ」
「――――」
彼女の方が僅かに上下したが、俺は気にせず続きを――終わりを舞花に告げる。
「だから……別れてほしい」
言えた。言えてしまった。さほど……いや、まったく後悔はない。時間が経っても恐らく、悔やんだりはしないと思う。
つまりやはり、俺は未希ちゃんが好きだ。舞花も口にしていたようにたとえ周囲に気持ち悪がられたとしても、この想いはとまりそうにない。
「……………………」
依然として舞花の表情は窺がえない。けど、鼻をすする音は
辛そうな舞花。その背中を見つめながらしかし、俺は部屋に一人残してきた未希ちゃんの事ばかり考えていた。
もし、舞花がこのままだんまりをするようなら……家に戻ろう。
身勝手な思考は留まるところを知らなくなってきた。
昔、一度だけエッチ?をしたことがある従姉。幼馴染の彼女ができた俺の前にその従姉が突然現れて修羅場に 深谷花びら大回転 @takato1017
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