主人公が優柔不断でなければもっと面白かったと思います!
- ★★★ Excellent!!!
構成、シナリオ、場面演出がすべて高レベルでまとまっている作品です。
ただ、本作は読者に媚びぬ顧みぬを貫いている作品で、商業化を目指したわけではなく書きたいものを書いている!と作品全体で主張するようなクセの強さがあります。
それによって、総合的な小説のレベルの高さにも関わらず、コメント欄は非難轟々で、評価は異様に低く、商業化は絶望的といった状況にありますので、かなり読み手を選ぶかと思いますが、肌に合えば熱中できること間違いありません。少なくとも私は数日ぶっ通しで熱中して読みました。
非難の的となっている主人公についてですが、非常に優秀な人物で、偉業を飄々と成し遂げていく実力の高い人物として描かれています。
反面、極端に優柔不断で、周囲に流されるまま自分の人生の決断をしてしまう傾向が非常に強く、その功績に反してかなり不遇な状況に常に置かれており、これが読者の反発を強く招いている原因となっています。
流されるままで良いと本人が納得しているのならいいのですが、流されておいてあとになってからグチグチと文句を垂れ流し続けてそれを読者が読むことになっているという、残念な男です。
個人的にも許容しがたいタイプの主人公ではあるのですが、それでも私が本作をおすすめする理由は、前述した通りそれ以外の小説のレベルの高さにあります。
なろうから追い出されてしまった経緯があるため、いつカクヨムでも読めなくなるか分かりません。
読むかどうか悩んでいる方は、是非一度読めるうちに手に取っていただくことをおすすめします。