第5話 何か話がデカい気がするんだが。
✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩
ーーーーー(心太郎視点)ーーーーー
「ハァ…珍しく我が娘が儂ら家族以外に興味を示した、しかもそれが『ヒト』というから来てみれば…こんな変人とはの。…ま、とりあえず少年よ。我ら稲荷族はお主を歓迎しよう。」
そう言って目の前に現れたのは、黄金色の狐耳と『複数の尻尾』が背後でゆ〜らゆらと揺れていた見るからに『普通じゃない』女性だった。
「ありがとうございます。………もしかしておr…自分を助けてくれた人ですか?」ゼハー…ゼハー…チラリ
「良い良い。そんなに畏まらんでも。んで、お主の問いに答えよう。答えは『のー』じゃ。」
そう言うと目の前の妖艶系狐美女さんはいつの間にか置いてあったちゃぶ台の上にあるお菓子に手を伸ばしながら座った。
「はぇ?」
「…何つーアホ面を。まぁ良い。ホレ、はよお主も座ってこの茶菓子の……何だったかの。確か『かすていら』とか言ったか。コレを食べんかい。美味いぞ。」
「あ、あぁ。すみません。色々な事象に追い付いてなくて。ん?良いよ。おいでおいで?」ナデナデ
「……その割にはさっきまで撫でくりまわした挙句、ウチの娘を誑かしおって。」ジトー モグモグ
「ケモナーなら一も二も無くモフるべきです。」キリッ ナデナデ
「イヤ…そんなキメ顔で言われてもな…言ってる事とやっておる事がの……(汗)」
「……………そういや。」ナデナデ
「ん?なんじゃ?」
「先程助けてくれたのは貴方様では無いと仰りましたが、では誰が?」ナデナデ
「・・・いい加減、その急な敬語止めれ。普通に話せや。こう、お主の御先祖様と話す様な感じで。後撫でるの止めろ。今大事な話やろがい。」
「アッハイ。」
「…コホン。で、話を戻すがお主を助けたのはウチの愚女じゃ。」
(『愚女(グジョ)』て。初めて聞いたわそんな単語。『愚息』なら聞いたことあるけど…あぁ、成程対義語か………って。)
「え?『女』??………え?娘さん??君娘さんだったん??」チラリ
「キュッ」
「……………ッハァー。さっきからそう言っておろうに。お主は今まで何を聞いておったんじゃ。」
「すみませんでした。」
「…コン?」
「すまんかったな。助けてくれた上に面倒をかけてしまって。」ナデナデ
「キュイー」スリスリ
「おっふ……至福なり……そういえば、一つ……いえ、幾つか聞いていいですかね?」
「なんじゃ?儂が答えられる範囲でなら答えようぞ。」
「ありがとうございます。んじゃ1つ目。貴方はどちら様でしょうか?多分その狐耳と尻尾、それに先程貴方が言っていた『稲荷族』からしてそれなりに力のある方々なんだと思いますが。」
「…ただのうつけ者かと思いきや、そこそこ頭は回るみたいよの。まぁ良い。お主の言う通り儂は『稲荷族』当主である『八尾子(やおこ)』じゃ。覚えておくがよい。して?そういうお前さんは何者なんじゃ?」
「あぁ、名乗らせておいて申し訳ない。自分の名前は八色 心太郎です。」
「『八色』とな………フフッ」
「??・・・どうしましたか?あ、寝そうなの?俺の膝で良ければ寝なさいな。」ポンポン
「クヤァ~…」スタスタ…ストンッ………スピー…スピュイ-………
「ほぉ………いや。何でもない。して、次の質問はなんじゃ?」
「ええ。ついでという訳では無いのですが、この子の名前も教えて頂けますかね?」ナデ…ナデ…
「………さっきからお主の膝で寝ておるウチの愚女なら『狐神子(クミコ)』じゃよ。」
「・・・・・・?」
「どうした。八色少年?」
✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩
モフりたい症候群患者の療養日誌 〜モフモフの為なら人間のイザコザなんざどうでもいい〜 ヤモリ @TISkskr
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。モフりたい症候群患者の療養日誌 〜モフモフの為なら人間のイザコザなんざどうでもいい〜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます