ぼくのうた

ひかるところに やむところ

眠気お昊（そら）に　旅立ちて

闇（や）みの薫りに　誘われて

手（た）馴（な）染（じ）む漕（こ）ぎ輪　走らせて

衣に夜（や）雨（さめ）　滲（し）み流（なが）るらむ

目（ま）見（み）えぬ星を　偲（しの）ばせて

青の現（うつ）処（つ）を　匂（にお）わせて

凡（すべ）て易（やさ）しと　浮かされて

成りや成らずや　浅き夢見や

眠れ　眠れ　此（こ）の想（おも）し

何（ど）うか此（こ）の身が　迷わぬ弥（よ）うに

覚（さ）むれ　覚（さ）むれ　此（こ）の目（ま）の処（か）

何（ど）うか此（こ）の世が　知れ在（ま）す弥（よ）うに

計（はか）をお昊（そら）に　撥（は）ね上げて

景（かげ）の光りに　手（た）繰（ぐ）られて

揺るがぬ陸（くが）路（じ）　踏み締めて

顔（かん）馳（ば）せに風　受け流（なが）るらむ

陽（ひ）の差し筋に　手（た）透（す）かれて

力在（あ）らぬと　察（うかが）いて

凡（すべ）て難（かた）しと　明らめて

然（さ）れや何（いづ）れや　成さむ尺（もの）也（よ）や

閉じれ　閉じれ　此（こ）の目（ま）の処（か）

何（ど）うか処（こ）比（ころ）が　惑わぬ弥（よ）うに

呀（が）鳴（な）れ　呀（が）鳴（な）れ　此（こ）の想（おも）し

何（ど）うか我（わ）手（た）組（く）し　成り在（ま）す弥（よ）うに

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ねむけおそらに　たびだちて

やみのかおりに　さそわれて

たなじむこぎわ　はしらせて

ころもにやさめ　しみながるらむ

まみえぬほしを　しのばせて

あおのうつつを　におわせて

すべてやさしと　うかされて

なりやならずや　あさきゆめみや

ねむれ　ねむれ　このおもし

どうかこのみが　まよわぬように

さむれ　さむれ　このまのか

どうかこのよが　しれますように

はかをおそらに　はねあげて

かげのひかりに　たぐられて

ゆるがぬくがじ　ふみしめて

かんばせにかぜ　うけながるらむ

ひのさしすじに　たすかれて

ちからあらぬと　うかがいて

すべてかたしと　あきらめて

されやいづれや　なさむものよや

とじれ　とじれ　このまのか

どうかこころが　まどわぬように

がなれ　がなれ　このおもし

どうかわたくし　なりますように