第2話

ヒロインになるためにはまず情報収集!


敵を知るにはまず味方から。でも味方がいないので本人に直接聞きます。


「え?好きなもの?」


「うん。好きなことでもいいよ。」


ハッハッハァ!こんな情報、敵に塩を送るようなものォ!勝ったな。


ヒロインの座を譲れェ!アリシスゥ!


「んー…動物さんかな…」


そっかぁ…動物さんかぁ…ん⁈動物さん⁈


え…どうしよう…普通に可愛い…


あのイケメン三人衆が好きとか言い出したら色々できたのに…


かわええ…ごめんな…


「あ!あと…」


まだあんのか。もしかして今度こそ…


続きを待っているとすこし頬を赤く染めて


「アユムちゃんも好き!」


あ、負けたわ。そんなエンジェルスマイル、かわいい増し増しで言われたらそりゃかわいいよ…好き…君は私が守るよ。


「えっと…大丈夫?アユムちゃん」


「うん…大丈夫…大丈夫。なんでって…聞いてもいい?」


「うん!アユムちゃんはね、初めて私に出来た、女の子のお友達なの!それに、頭もいいし、優しくしてくれるから、大好き!」


かわいいこの子。そりゃイケメン三人衆もデレデレだわ…納得。


そんな話をカフェテリアでしていたらトイプーと厨二がきた。


「おい。なんだお前。俺らのアリスに近寄るな。」


「汚いくせに…アリス。あっち行こう」


うわぁ。

「私はアユムちゃんとお話していたいから、二人は後でもいい?」


うわ天使。私優先にしてくれるとかもはや女神じゃん。


「なんで?アリスは僕たちのことのほうがそんな奴よりも大切でしょ?大好きでしょ?こっちにおいでよ。」


アリシスの腕をトイプーが掴む。おいマテ。そんな奴とはなんだ。


「ちょ…離して!!」


あーあー。嫌がってんじゃん。しかも本気の拒絶。ウケる。


「アユムちゃ…助けて…」


君は私が守る!!


「やめなよ。アリシス嫌がってんじゃん。」


なんか学級委員みたいなこと言ったわ。


「は?部外者は黙ってろよ。」


うわぁ…ピキるぅ…


「好きな子が嫌がってんの、わかんないの?そんなんだから君はどの分野でも学年1位になれないんだよ。」


はい。厨二の地雷通過しまーす。


「あ?お前にアリスのなにが分かるって言うんだよ。大体、俺が1位になれないのなんて、お前が何かしら裏でやってるからだろ。」


うわぁ…自分の負けを認めないとか…引くわぁ…


「私はアリシスの友達だから、嫌がってることぐらい、分かる。逆に聞くけど、あんたらはアリシスのなんなの?」


ヤバい…これ以上言い争いを続けてたらアイツがくる…


「クロエ、リン。何をしている。」


ほらきた~!ナルシパツキンのお出ましだぁ!


「ケインさん、アリスが僕らとではなく、あの女といたいなどと変な事を…」


「そうか。」


パツキンは私をじっと見て


「下がるぞ。二人共。」


お。一人はまともな奴がいた。


そうしてパツキンは帰り際に


「貴様…覚えていろよ。覚悟はできているな…?」


前言撤回。こいつが一番やべぇ…殺意増し増しで耳打ちしてくんな。もうおなか一杯。


「アユムちゃん…大丈夫?ごめんね。私のせいで…」


ああああああああああああああああああ


かわいいいいいいいいいいいいいいいい


絶対に見捨てんよ…さっきアリシスという名の女神に誓ったから…


「大丈夫。アリシスのせいじゃないよ。」


アリシスはあんなんに囲まれていたのか…理想の王子様象が一気に崩れた…


あんなんに囲まれたくないなぁ…


じゃあ、いっその事、私が百合ルート作るか!




「ということで、よろしくお願い。」


「は?」


冷たい…この子は「ハルカ・キタムラ」。「北村 遥」


私の幼馴染。私の次にかわいい。


「え?いいの?髪切ったりとかも?」


「任せた」


彼女は美容のエキスパート。


昔から髪を整えてもらったり、服を選んでもらったりした。


つまり彼女なら私を完璧にしてくれるはず!


「目、瞑って。」


彼女の言うままに目を閉じる。


大人しくされるがままになっていると眠たくなってくる。


「ねえ、ハルカ」


「うるさい。集中してるから話しかけないで。眠いなら寝てていいよ。」


優しいのか冷たいのか分からん。


まぁ寝てていいっていったので寝るわ。


おやすみ。


ハルカのことだ。きっと私をボーイッシュにするんだ…


こんなにかわいいのに…


まぁいいか。好きにさせてやろう。

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宣言!私、脇役卒業致します! 餅月 かさな @kasana_mochizuki

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