番外編:空の封印編4

 四つのボスが倒された瞬間、その場にいた者達はとある空間に来る。宇宙空間のような場所だ。


 話から察するに、病魔とは宇宙から来た細菌生物であり、その親玉は宇宙からこの星に降り立とうとしていた。


 魔王、竜王、そして女神と世界樹により星から追い出され、離れることも降りることもできない事態。


 だが彼らは地上にいる僅かな力を使い、女神の結界に穴を開けて降り立とうとする。帝国とはそのためだけに作られた国だと発覚。


 この空間こそ穴であり、本体であるアメーバのような存在が通り抜けようとするが、トッププレイヤー達は甘くはなかった。


「ロザリオに近づくな!」


 一人はロザリオに向かって来るモノを薙ぎ払い。


「悪いけど、ラストアタックはいただく!」


 一人は純粋にトッププレイヤーとして剣を振るい。


「委細承知、撃滅開始」


 一人はNPCの中でトップクラスの暴力を振るい。


「勇者としてここは通さない!」


 一匹は弱者の中で最強を誇る一撃を放つ。


 無論、他にもプレイヤーはいる。魔法攻撃を放ち、広範囲のフォローをする魔法使い。双子らしく連携を駆使して絶え間なく攻撃する者。


 そしてそれを支えるのは生まれ変わった女神、新たな魔王候補、次の世代の竜王。


 こうして空の封印は破られ、されどそれを阻止する者達の手により………


『ば、バカなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――』


 終わりを告げるのであった。


 ◇◆◇◆◇


「あーやっぱ島が落ち着くー」


「んーホントそうだねー」


 少々遠い目をする時計兎とロザリオ。あの後、帝国は解体された。


 新たな国の王様を決めて王国などに隷属する形で国としての形を維持するらしい。


 ロザリオはその時、親元、または関係者の元に帰ることはできたが、星樹がいるからと断り、時計兎と共にいる。


 後で裏で父親と彼氏による決闘があり、後日PVにされて娘から一か月口を聞いてもらえなくなるが、それはもう少し後の話。


 ちなみにずっと半笑いでマーリンはこちらを見ていた。おそらく知っていたのだろうな。


 結局、戦いの後は兎は魔王の城と城下町、竜の里、世界樹の傍、浮遊基地の管理を任され、ユニ達に押し付ける形で幕を下りる。


 新たな場所の開拓にカリバー達は出向いているが、兎は島の管理で手一杯なため、こうして静かに過ごしていた。


「………けどまあ、楽しかったな」


「………うん」


 ロザリオはそう微笑み、時計兎も微笑んだ。


「マーマー」


「はいはい」


 抱っこしてあげる娘は可愛く、すくすく育つ中、小さなコボルト達が庭で剣を振るう。バンダナも父親として新たなコボルト勇者を育てている。


「色々あったが、このゲームは楽しいね」


「うん。ホント、ここにきてよかった」


「たー」


 仲の良い感じで彼らは微笑みあい、白薔薇が寂しそうにこちらを見ている。


 兎はこっち来なさいと言って呼び、白薔薇のことをお姉ちゃんだよとロザリオが話しかける。星樹は嬉しそうにねーねーと呼び、白薔薇は嬉しそうに甘えている。


 こうして激動の病魔編は終わりを告げて、新たに新世界編が始まるのだが、彼らはいまは静かに過ごす。


「次に備えてロボット兵揃えないと」


「爆薬もため込んでるんだよね?」


「ベヒーモスの時くらい今度は派手にやるさ」


「あまり派手なのはやめてほしいなー」


 そんな会話をしながら、島で楽しく過ごす。


 子供である魔王や竜王も育てなければいけない。兎はまだトッププレイヤーとしての活躍は、まだまだ続く………


 ………

 ……

 …


「それはそれとして貴様の会社スタッフに物申す」


「おっと、デートだと思ったら厄介ごとだった」


 わざとらしいマーリンは現実でおどけていて、兎はまずは会社の娘から尋問を始めた。


 友人達は苦笑して止めず、一方その頃、病院のベットで親に尋問する娘がいるのだが、それもまた別の物語………


 ◇◆◇◆◇


主人公:時計兎


この後は普通にゲームを楽しむが、率先してイベントを進めない(国が報酬ぽいとやらない)。


 戦闘は相変わらず手数で攻めて、膨大な鉱石アイテムとNPC生産者を使い、サポートしている。


ヒロイン:ロザリオ


一か月両親のことを無視して、その後は父親以外許す。


イベントで女神の生まれ変わりだからたびたびイベントキャラとして出演。母親として星樹を連れて活動。兎がリアルでも仲が良いとバレているが、ファンクラブは存在している。


バンダナ、白薔薇と愉快なテイムモンスターとコボルト達。


重要NPCとしてゲームの目玉キャラに昇格。白薔薇に至っては彼女がヒロインのクエストを組まれたりする。


兎の手により魔改造されたコボルト達も昇格、人類に協力的な種族として活動。生産職とロボットなど、結構活躍している。


聖剣の魔法使いマーリン


現実では時々兎と遊ぼうとしている。好きと言えば好きだが、ロザリオと一緒なのが好きなので二人の子供が大好き、リアルでもそうしたいと考えている。


兎を置いてカリバー達でトッププレイヤーとして前線で活躍している。


双子のレフトとライト、カリバー、ジャンヌ、ユニ


トップエンジョイ勢として活動。可愛いモンスターなどテイムしては島に送るため、わんわん王国は完成してしまう。


その後、わんわん王国がいつしか初心者おすすめスタートになり、賑やかになった。


他プレイヤー


新たなイベントに乗り込んだり、兎の国でエンジョイしている。初心者はわんわん王国、魔王国は中堅勢などバランスが取れている。


運営


今度からスタッフがしっかりし出したが、予想外なことが起きるとがたつくのは変わらない。


お助けキャラのように活動し出す兎に注意しつつ、今後ゲームを楽しく、公平に活動している。


ソロ生産者アリス


なにげに次のトッププレイヤーとして活躍。コボルトに持って行ったアイテムが新たな発明に繋がったりするので、彼女を通してコボルトと仲良くしようとするプレイヤーは多い。


お父さんは減給程度で済むよう、会社の人が頭を下げた。そのおかげでバグは無く、怪しいツールなどはすぐに対処されているため、健全にゲームは運営されている。


番外編お読みいただき、またここまで物語に付き合っていただき、本当にありがとうございます。


次回作も頑張って作るので、気長に待っていてください。


それでは、お読みいただき、ありがとうございます。




攻略やめたら運が上昇した 完




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攻略辞めたら運が上昇した 読書好きのシマリス @ookina-simarisu

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