10.「魔法の雫 薔薇の雫」シリーズ+1/そんで一応総括。

・翠の稜線、金の夢


 これは「銀朱」と並行して出した一冊。

 これも正直印象薄いんだけど、興味深い話だったよな、という記憶はあるんでグーグルブック先生から。


>故郷を離れ、異教の神が統べる地を旅して二年。

 砂漠の只中に独り力尽き、緩慢な死の訪れを待つしかないアンドレア。

 薄れゆく意識にふと呼びかける者がある。重い瞼をあげると、そこには金の瞳に金の髪、最期の時に神が遣わした天使、と思しき少年が立っていた。

 粗野な言葉遣いと抜け目のなさ、陸吾と名乗る少年は時折不思議な力を垣間見せる。

 陸吾の手厚い看護を得て、二人の旅が始まった。


 少年と思っているだけで…… というオチはあるんですが、まあ青年と少年の道中話で、また別ルートの神仙の様な力の出てくる物語。

 続きがあった様な気がしたのは記憶違いかな?


・魔法の雫 薔薇の雫シリーズ

 魔法の雫 薔薇の雫

 魔法の雫 薔薇の雫~レザンスの花嫁~

 魔法の雫 薔薇の雫~花咲ける宮廷~


 これが最後のシリーズ。

 偽りの結婚とクズ男と独自の作業能力で領地改革の宮廷もの。

 そう、これも今となってはなろうやアルファでも出てくる「領地改革」系なんだよな。

 今だったらたぶんもっと受け容れられるんじゃないかと思うんだけど。

 そもそもダンナの方が「結婚しなくてはならない」状況になって白い結婚で五年後には離婚だ、と思っていたとこ、どんどん相手が才覚を現していって~という。

 ともかくクズ男旦那とファッションリーダーになってくヒロインというのが記憶に強いんだけど。

 これは完全にストップ作品。

 三巻目で止まってしまって、それ以上はもう本当に作品自体出すのやめてしまったんだよな。



 金蓮花さんの作品というのは、ともかくスタートダッシュはいいんだけど、最後がどんどん尻つぼみになってしまうのが読者としては辛かったざんすよ。

 ただこれはこの方のタイプと編集の進め方との問題があったと思うんだよな。

 コバルト文庫、というか集英社が、ということだけど。

 売れれば続ける、売れなければ切る。

 それはそれで、その分ネームバリューもある老舗だし対価も大きいんだけど、年間予定ってのはこのタイプの作家さんには辛いものがあったんじゃないかと思うんだよな。

 人気あったからひたすら続けるというのではなく、その世界を書きたい分だけきっかり書かせて終わらせるまでの場所があれば、と思うんだけど。


 ただこのひとは萌えないしは浮かんだ話を表現しなくちゃいられない系の方だと思うので、今の今、もしかしたらそれこそアルファで書いていたとしてもおかしくない気がするんだよなあ。

 それならそれで何処かで書いていて欲しいとも思うんだけど。

 続きとかは求めないから。


 でもやはり「あのひと」の伝記は読みたいなあ。

 でもしがらみがある限りは無理かな。

 資料等が入手できるとはまず思えない対象だしなあ。


 ということで、個人的なことを含めての金蓮花さん語りでした。

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もう戻って来ないのかな? 90年代にはまった金蓮花作品に関する自分の記憶とか思い出とか関わりとか。 江戸川ばた散歩 @sanpo-edo

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