愛と哀、そして涙

不幸に見舞われた幼いお姫様二人と、これまた悲劇を背負った魔女を中心としたお話です。
人が誰かを想う時。それはきっと素晴らしい感情の芽生えなのだけれど、同時に誰かの想いを除け者にしてしまう、諸刃の剣でもあります。

この作品世界観とは違いますが、今の世界で、誰のことも傷つけずに生きていける人間はいません。
それをファンタジックに、かつ分かりやすい文体でしっとりと描き切ったのが今作です。

何が幸せなのか、不幸なのか、その答えは人の数だけあります。そんな想いを見事に切り取った、素晴らしい短編でした。

是非ともご一読を。