飾らない笑顔で先生に花束を

現実味を感じる作品。
作品全体に生活感を感じる。
平易な文章だけど、さり気なく五感を使って描いているところが良い。
叶わなかった恋を抱えて夕日を眺める子がどこかにいるかも、と感じさせられる。

書き出しが良い。
兄や姉、もしくは弟や妹がいるひとは、机の上を漁る主人公や漁られた姉の気持ちがわかると思う。

カレーのシーンが良い。
ぶつ切りの人参が入ってるんだと思うだけで、大きく切られた具材がゴロゴロはいっているカレーが目に浮かんでくる。

最後のオチとして、
「取り敢えず明日だけは、お姉ちゃんの机は漁らないでいてあげようと思う」
を忘れていないところも素晴らしい。