第4話

「じゃあどんな所があるのか、どういった所なのかを調べよう。なるべく早く。」


「…はい。」


 ただの高校生が知り得る知識は、実際に存在するもののほんの一部にしか過ぎない。


 世界は広いってよく言うけど、私にとってその言葉は前向きな言葉として捉えられない。沢山の選択肢の中から1つを選ぶってとても難しい事だと分かっているから。


 私が欲しい答えはどれだけ探せば見つかるのだろうか。


「これだ」と思えるものに巡り会いたい。そうしたら、私もきっと生きたいと思える様になれるはずだから。けれど探せば探すほど答えが遠のく感じがする。



「ちゃんと考えてね。」



 言われた瞬間、感じた。


 心臓がお腹の辺りまで…




 落ちる。


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瞬間、落ちる。 たなの いお @tanano_io

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