第3話

「待たせちゃってごめんね。じゃあ始めようか。まずは…」


 事前に取ったアンケート用紙を片手に先生が話し出す。


「進学を希望しているみたいだけど、どこにするかって言うのはある程度絞れたかな?」


「それが全然決まってなくて…」


 私は笑いながらそう言った。


 先生は少し困った顔をしていた。


 何も考えてない様に思われているのだろう。



 考えれば考えるほど大人になる事への不安だけが募っていく。もうずっと将来を考えられる程の心の余裕が無い。


 選択を迫られる度に焦りが増していくだけ。ただそれだけ。


「辛い」だなんて誰にも言えない。「死にたい」だなんて誰にも言ってはいけない。


 けれど心のどこかで誰かの助けを待っている私がいる。




 そんな自分が嫌いだ。


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