タイトル通りの雰囲気!珈琲の香り、苦味、それに砂糖の甘さ

  • ★★★ Excellent!!!

 男女それぞれの視点を描き、三話目で二人の溶け合う視点で描くという構成がドラマチックで、読後感も最高の恋愛物語でした!

 この二人、年齢を含め立場的な部分でも乗り越える必要のある障害があって、とにかく絶妙な距離感にあるのですが、それをこの短文で表現し尽くしているというのが素晴らしいです。そしてその障害の存在からか、秘める恋的な背徳感が醸し出され、三話目で一気に艶めく。

 彼女にとって眼鏡はどういう存在なのか、彼にとっての眼鏡はどういうものなのか。

 文学の香り、大人の苦み、恋の甘さを文学的に堪能できる秀作です!