その人をその人足らしめるものは、記憶なのか心なのか、肉体なのか見た目なのか、それとも……。コミカルでありつつも、「私」の心の動きに寄り添った描写がとても素敵でした。「私」がどのような結論を出したのか、多くの方に見届けていただきたいです。
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科学が粋を極めれば必ず問われるであろう重い問題だけど、アメリカのシットコムのような痛快なやり取りの中でそれを軽妙に浮彫にしつつ、主人公の気持ちを理解していけば、愛とはどういうことなのか、心がどこにあるのかが読者の心に突き刺さって来ます。 主人公の語りは淡々としているのに、愛情と悲しみの叫びが行間に見えて来るのです…。 短編とは思えないテーマの深さとドラマ性、おすすめの作品です。