愛するこのとの正解は、神様にもきっと分からない。

 間違って送られてきたメールから、夫の不倫を知った主人公の妻は、腸の煮えくり返る思いでいた。そんな中、オーケストラの仲間である青年から、主人公は言い寄られ、想いは揺れる。
 しかし、夫の不倫相手は女性ではなかったことが判明し、主人公はその不倫相手に会いに行く。そこにいたのは、女性と見紛うばかりの美青年だった。不倫相手は自分の性別や恋愛対象に悩みを抱えながら、必死に生きていた。
 主人公は夫と不倫相手を家に呼び出し、ある計画を打ち明ける。
 それは今までの夫婦の概念を壊すような計画だったが、それぞれの生き方を肯定するようなものでもあった。

 人間は愛することに貪欲でいい。
 神様に誓うのは、変わらない愛ではない。

 軽妙な文章ながら、扱っているのはどろどろとしがちな不倫だが、作者様の発想の転換によって、最後は爽やかに感じました。

 是非、御一読下さい。

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