第5話 僕と猫獣人
学校付近で行方不明になったペットロボが多数いた事で、警察も網を張っていたらしい。通報したのはもちろん、シファー・マラク先生だった。
「上手くいったわ。君が授業中に追いかけて行ったのは想定外だったけど」
「ごめんなさい」
「いいのよ。恋人が無事でよかったわね」
「はい?」
恋人? 誰も知らないはずなのに。
よくわからないけど、シファー・マラク先生には全てお見通しって感じだ。
その後も、僕とサラさんは変わりなくお付き合いを続けている。宇宙船で火星と土星にも行った。火星の赤い砂嵐を見ることができたし、土星の環はすごく綺麗だった。それに、衛星から噴き出す間欠泉も見ることができた。市内でデートすることもあるんだけど、クラスのみんなにはお父さんの親友の娘さんだと言ってある。
本当の事は誰も知らない。でも、一人だけこの事がバレていた。それはシファー・マラク先生だった。
「君たちいつ結婚するの?」
「姉さま。私たち、まだそんな年齢ではありませんよ」
シファー・マラク先生はサラさんの姉で地球での保護者だった。サラさんはまだ12歳で僕と同い年。大人びた体つきなんだけど、猫獣人は成長がかなり早いらしい。
後10年くらいしたら本当に結婚するのかな。できれば僕も結婚したいと思うんだけど、誰にも言えない。両親にも。だって彼女は異星のお姫様なんだから。
僕の人生は前途多難だ。
猫ロボと正露丸 暗黒星雲 @darknebula
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