主人公(女性)が明るいキャラなので、最初は「軽い感覚で読める転生ものかな?」って思っていました。
回を重ねると、あら不思議。読めば読むほど、神話ベースの設定の奥深さと、しっかりとした重厚な展開を味わえます。
とはいえ主人公は一貫して変わらずポジティブで、舞台も日本がベースのため、サクサクと読み進めることができます。
和洋折衷な神話系の話を屋台骨に、術式関連やバトルには科学的な要素も詰め込んでいたり、読み応えもバッチリ。
序盤は主人公の知識がゼロベースで進む、世界観や設定、状況を読者と一緒に把握していくスタイルです。何なら、主人公の名前が判明するのも結構後です。
その辺りの把握が済んで物語が本格稼働するのは序章後半〜からで、それが人によってはスロースタートな印象を持たれるかもしれません。作品の全体像を掴み切る前に1、2話で手を引く人もいるかもしれないと思うと「ここからが面白いのに勿体無い……」の一言です。
物語が進むにつれて味わい深くなっていくので、是非とも腰を据えてじっくり読んで頂きたい作品です!
主人公は「寝ているときに夢を見ていると気付ける」タイプ。
だから今回も、ゾンビが襲ってくるパニック映画のような世界に入り込んでも、「お、これは夢だな」と余裕の構え。
でも読者は主人公より先に気付きます。
多分これ、夢じゃないよって・・・
思えば最初からおかしかった!
ずっと『私』とカギかっこ付きの一人称。
しかも本作のタイトルは『おいでませ神様のつくるミニチュア空間へ』。
これらが意味するところは?
主人公が夢だと思い込んでいて深刻にならないので、ハードモードの世界観でもスラスラ読めます。
真実を知った時、主人公はどう考え行動するのか?
ハラハラしながら読み進めましょう!