終 月の乙女

 大陸で十数年に渡る戦乱があった。特に十二家はおおいに活躍し、聖王庁の力を弱めた。

 特にアスファルの『炎狼』ラウルは、めざましい戦績をあげ、アルビオン王国女王の婿となった。


『炎狼』に続いて歴史に名を刻むのは『調律の騎士』である。彼はラウルの傍らで軍帥の才を発揮したというが、名前は伝わっていない。


 戦乱後、彼は歴史の表舞台から消え去った。故郷に帰ったとも、名を変えてラウルの側近になったとも伝えられるが、さだかではない。


 しかし、確かなことがひとつだけある。戦を終えた彼は想い人を妻に迎えた。

 後世のおとぎ話のなかで、人々は彼女を『月の乙女』と呼び『調律の騎士』の隣に名を添えている。


 

 

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嘆きの月とオリオンの騎士 俤やえの @sakoron

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