冒頭が、高校の学園祭で模擬結婚式で、実は裏に策略があって、当人に自覚がないのに花婿役って、何これ?????
と、初手から読者を混乱にたたき込む本作。もういいや……と思われるかもしれませんが、騙されたと思って読んで~~~~!!!
混乱から始まるプロローグを終えると、さらにハイテンションな本編が続きます。たたみかける展開はノンストップ。息つく暇がありません。キュンキュンしている余裕なんてありません。おかしいなぁ、恋愛のはずなのに、神妙になる瞬間がありゃしません……
登場するキャラクターもいずれもキャラが濃くて、身近に居たら困りますが、見ている分には笑えます。本当にフィクションで良かった(www)
読者を楽しませようとするサービス精神は商業ラノベに勝るとも劣りません。現実を忘れて面白いキャラと世界を見たいという欲求に十二分に応えます。
騙されたと思って読んで! 気持ちよく騙してくれるから!!!
怨嗟、慟哭、魂を震わせる愛憎怨怒の類はこの物語の作者のエンジン音である。自己と他己をひたぶるに燃やし焼き、残り残った消し炭を以て純白の理想というキャンパスを塗り犯していくように物語を紡ぐ断末魔にも似た芸術である。
笑いを嘲いに置き換えるような痛く怪しいエンタメの予感しかしないが、読者は作者の過去作品にそれだけではない光を見るだろう。あるいは泥濘じみた血河やもしれぬ。
人生の墓場であるといわれる結婚式(演)、そこでの「ちょっとまった」系の演出の流れ。だがしかし花嫁を略奪し脚光を浴びるべき主人公は雪隠詰めである。
なにゆえか。
作者ゆえか。
その答えはきっとコンテスト期間中の完結でわれらは知ることになるだろう。
なるよね?