教え子

katsumi

第1話

2年前、実習先の母校で私は教え子の女の子に恋をした。

実習最後の日、馬鹿な私はもう我慢ができず、その恋した女の子に

キスを交わした・・・。

そして、嫌われた。

私はあの日以来、毎晩のようにその失恋劇が夢の中で繰り返される結果と

なってしまった。

こんな事なら私あの時、キスなんか交わすんじゃなかった。

私はそれを今とても後悔している。

 

仕事が終わると友人からコンパのメンツ揃えで私は呼ばれる。

でも、私は男性には興味がなく女性しか興味ないのです。

別に男性に興味がないのは特別な理由はない。

ただ、女性のほうが柔らかくて肌を触ってて何か気持ち良いものを感じるから

女性がいいと、それだけだった。

でもそんな私の気持ちを受け入れてくれるなんて少数でしょう。

 

そして今年の夏休み私が田舎で海水浴行ったときのことだった。

私は驚くごとにその2年前の教え子とぱったりと目が合ってしまった。

その時その子は彼氏を連れて私のこと通り過ぎたあとも

その彼氏と仲良くやっていた感じに見えた。

これでいいんだ。私みたいな女しか好きになれない

変態に関わっていたらダメなんだと自分で言い聞かせた。

でもその心の中はいつも・・・。


◆◆◆


さみしい・・・。

その言葉が頭の中で毎日、毎日壊れたラジオのように

繰り返される。

そう思い、家に着くと一人の女の子が立っていた。

もしやと思い、私は思いきって声をかけた。

「さやかちゃん?!」

そう、私があの時キスをしたその女の子だったのだ。


「先生」

「どうしてここが分かったの?」

「先生のところのおばさんに聞いて、それで私もちょうど受験の下見に

上京したもんでついでにさ」

「そ、そう? ほら、寒いからもう中入って!」

そう言ってさやかを家の中に招き入れた。


◆◆◆


へー、普通の女の子の部屋なんだね」

「何言ってるのよ。当たり前じゃないの」

「でも先生この部屋男っ気ゼロだね」

「だっていないもん・・」

「あ、そうか先生レズだもんね! じゃあ女性の恋人とかいるんだぁ。

このベットの上で抱き合ってるの?」

「さやかちゃん!!」


先生がそう言うとさやかの言葉は止まった。

「そう言うこと言うの・・・やめて」

「先生、なんであんなところにいたの?

この2年間考えないようにしてちゃんと男とつき合ったりして

忘れようとしたのに。先生と目が合ったとたん真っ白になっちゃったよ」

さやかはそう涙ながらして言った。

「私、おかしいよ。先生のこと忘れられなかったんだよ。

なんで私にキスしたの? 気まぐれだったの? 悪戯? ひどいよ!

ずっとこんな気持ちじゃたまらないよ! 先生助けてよ!」

先生はさやかを抱きしめこう訴えかけた。


「馬鹿ね、本気に決まってるじゃない。あなたを見るたび、あなたの声が聞こえるたびドキドキしてたまらなかった。あなたを抱きしめたくて、肌に触りたくて、唇に触れたくて泣きたくなるくらいだったのよ!」

「せ・・・先生・・・」

「好き・・・さやかちゃん愛してる。もう私のそばから離れないで!」

そして二人はお互いの愛を確かめ合った。

 

「ねぇ、先生。私先生を思うたび、のどの奥を締め付けられるというか、気持ちが沈む

この感じって一体なんなの?」

「それはね、好きな人を想って本当にせつないときに味わえるにぶい痛み、恋よ」

「ふふふ。知ってたわよ。ねぇ、先生一緒に住んでくれるといったら住んでくれる?」

「いいの? さやかちゃんこんな変態と一緒で?」

「もう、先生ったら!」

私たちはあの時よりもさらに愛を深めていた。


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教え子 katsumi @katsumi2003

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