命懸けのサバイバル
@Rex999
命懸けのサバイバル
グシャ
また仲間がいとも簡単に殺された。
「クソッまたか!」
今殺されたのは新米兵士の中でも優秀なやつだった。僕ら兵士には名前はないので、優秀なヤツだったという記憶しかないが状況は非常にマズい。
もう食糧がないのだ。基本的に自己調達できなければ飢え死にする。しかし食糧を持ち帰る役目が必要だということになり、僕らは調達班となった。
外の世界には圧倒的な力を持った化け物がいる。きっと僕らが束になったって敵わない。
「次に足が速いやつは!」
「俺です!でもまだ飛べません!」
「なら地上でいい!行ってこい!」
また仲間が飛び出していった。でも彼も戻ってはこないだろう。この場にいる全員無駄なことはわかっている。それでも行かなければならない。ほんの僅かな食糧でも水分でも確保できれば数週間は保つ。そのほんの僅かさえあればいいのだ。
「やったぞ!!」
「マジか」「本当に?」「やりやがったぞあいつ」
ついにさっきのやつが食糧を確保できたらしい。
全員で群がり貪り食う。久しぶりの食事だ。
上手い!
だが何かおかしい。食べた者がみな苦しみだした。それは僕も例外ではない。
徐々に足の先から痺れてくる。体の内側に痛覚の塊を詰め込まれたように苦しい。
外の世界にいる化け物は知能も発達していたようだ。ワザと取りやすい位置に毒入りの食事を置いていたのだ。
気づいた頃にはもう遅い。食事を口にした30強の精鋭達は皆仰向けに倒れそのまま意識を失った。
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