KAC2022まとめ
結月 花
軽い気持ちで手を出したら爆死した一ヶ月
皆様、KACお疲れ様でした!なんだか怒涛のように過ぎた一ヶ月でしたが、今年は知り合いの方が参加していたからかとても盛り上がっていたなぁと思います。なかなかに濃い一ヶ月だったので、備忘録的なものをちょっと書いてみようと筆を執りました。わりと雑多に書いているので特に読む必要はありませんが(笑)、気になる作品があれば覗いてもらえると嬉しいです。
【KAC二刀流】2つの仮面
https://kakuyomu.jp/works/16816927861260072548
最初のお題ということでTwitterが盛り上がっていましたね。私は殺し屋と医者の二刀流で書きました。相反する二つの能力を持つことで、一方の能力がもう一方の能力の妨げになったら面白いなーという発想から書いてみたものです。殺し屋と医者の組み合わせはわりと沢山見ましたが、どの方の作品も同じような話にならないのがすごいですよね。
これは自分の中ではうまくオチたな、と思って書けたので結構お気に入りの作品です。一番初めのお題なのでこの頃は張り切っていましたね。逆にこれ以降はやっつけのものが増えていきます(笑)
【KAC推し活】もし推しがあなたの前に現れたら?
https://kakuyomu.jp/works/16816927861303182551
実は呼吸をするように毎日推し活をしているので、このお題が出た時にどれを書いたら良いのか逆にわからなくなりました(笑)
これを機にちょびっと自分の創作歴を書きますと、創作というか自分でキャラを考えてお話を作るのは多分小学生くらいから好きでずっとやっています。
受験を経て中高一貫校の女子校に入ったのですが、ここがもうオタクの巣窟みたいな場所でして。思春期なのに周りに男がいないのでエネルギーをぶつける場所が二次元かジャニーズくらいしかないんですよ。女子中学生ってエネルギッシュですから、「はいこれ読んで」って感じで自分の好きな漫画を無理やり貸してくるんですよね。皆ナチュラルに推し活してくるっていう。友達に呼ばれて家に遊びに行ったら「今日はシカマル(NARUTOのキャラ)の誕生日会やるよ」って言って彼の好物のサバの味噌煮を一緒に作ったりとか(笑)
それで私もどっぷり二次元の沼に浸かったわけなのですが、それでも一次創作はずっと続けていました。むしろこの頃は女の子ばかりと言うこともあり、ほとんど皆が自分で物語を作っていて、今カクヨムでやっていたようなことをずーっとやっていました。
大学に入った辺りで二次創作というものを知り、やれ同人誌やニコニコ動画やらpixivやらで沼にズブズブ浸かり、ついでに性癖もこじらせていきました。私がコメディを書くときはここらへんの毛色がかなり強いです。
推し活を始めたのはこの時期ですね。友達と深夜までアニメを見たり、コラボカフェに行ったり、推し色コーデをしたり、グッズ作ったり。その時の楽しさを思い出しながら、私なりの推し活をやる意味を物語に落とし込んだつもりです。
【KAC第六感】第六感探偵
https://kakuyomu.jp/works/16816927861452324630
第六感と言いつつ、なんだか超能力みたいになった話です。第六感で答えがわかってしまうけど、それを他人に理解させるのに四苦八苦する探偵さんのお話。これどうやって思いついたのか覚えてないな……なんか唐突に「ミステリー書こ」って思った気がします。ミステリーになってないけど。
これ、ミステリーもどきなので、本文中で四人中二人しか証言してないというヒデェ謎解きなんですけど、実はこれ、ちゃんと伏線とか色々事前に考えて書いていたんですよ! でもいざ書いてみたら一人目の証言の部分で二千字いったので、大幅に削りました。チクショウ。
規定の四千字縛りがきつくなってきたのはこのあたりからですね。
【KACお笑い・コメディ】爆発はどこでも使える
https://kakuyomu.jp/works/16816927861499423400
これはもう勢いで書いたやつです。お題が「お笑い/コメディ」って聞いて、最初は真面目にロボットと漫才をするお話で考えていたんですよね。「お前、頭爆発してんのとちゃうか!」って言ってマジでロボットの頭が爆発したらシュールだなって。今となってはどっからどう見ても滑っているのでやめておいて正解でした。
しかしこのロボットの頭が爆発している絵面がどうしても私の中で離れなくて、頭爆発→そうだ、ギャグ漫画でありがちな爆発オチで書こう! と思いついて書いたのがこちらです。
多分一番読んでいただいた作品で、レビューもたくさん頂けて嬉しかったのですが、普段書いてる長編がわりとどシリアスな恋愛なので、こちらの短編から長編に入ってくださった方は温度差で爆死すると思うのでごめんね、という気持ち。
【KAC88歳】米寿のお祝い
https://kakuyomu.jp/works/16816927861627274321
トゥイッターで大騒ぎになっていたお題でしたね。私自身は彼自身に対してはなんとも……て感じですが、お題のね、カクヨムさんのしてやったり感がちょっとアレかなーって思いました。
88歳ということで、素直に米寿ネタで書いたのですが、こちらは「米寿のお祝いにおじいちゃんが一番もらって嬉しいものはなんだろう?」と考えて→亡くなった奥さんと最期の一年を過ごすことだ! と結論づけて書いたものです。性癖こじれてるくせに根はピュアなんです、ええ、ええ。
しかしですね、結構夫婦二人の背景とかもしっかり考えたのに、四千字までという規定のせいで折角考えた設定が全然盛り込めないんですよ!! お題の酷さもあって、この頃からカクヨム鳥へのイライラがちょっと溜まってきた感じですね。
文字の調整に一番苦戦したのがこちらの作品でした。一瞬闇堕ちしかけましたが、なんとか正気を保ちました。
【KAC焼き鳥が登場する物語】邪神は生贄を所望する
https://kakuyomu.jp/works/16816927861685477805
はい、もうこちらがですね。何なんですかねこのお題は。「焼き鳥が登場する物語」って。
ツイッターでフォロワーさんと「お題が「焼鳥の登場する物語」だから「焼き鳥が登場する物語の物語」を書かないとダメなのかなー?笑」「なにそれオモシローw」っていうやり取りをして笑っていたら、マジで物語の部分までお題に組み込まれていて目が点になりました。
これ、エッセイに逃げちゃだめだぞって意味だったんですかね? 何を持ってこのお題を選択したのかがわかりませんが、お題に戸惑い苦しむ下民達を見てカクヨム編集部が嘲笑ってる姿を想像してしまい、その直前にお題の無茶振りさと文字数規定に苦しめられたのもあってイライラが限界突破していた頃です。ダークサイドに片足を突っ込んでおり、あらすじはヤケクソで書きました。
こちらは本当に全然ネタが思いつかなくてかなり苦戦しましたね……ただ、会社のパソコンで焼き鳥のことを調べているうちに、進撃の巨人で有名な「心臓を捧げよ」というセリフが突然浮かんできたんですよね。そんでエレンにハツの串焼きを渡してる姿を想像して仕事中に一人で笑っていました。でも、「心臓を捧げよ」という闇の儀式っぽいセリフと、ハツの串焼きを渡すというバカさ加減は使えるな、と結局この出オチネタを使って書きあげました。全然コメディを意識して書いたわけではないのですが、笑った! という感想を頂けて嬉しかったです(笑)
【KAC出会いと別れ】輪廻
https://kakuyomu.jp/works/16816927861690361192
ここらへんはもうお題の消化スピードが速すぎて、手癖で書いていた部分です。出会いと別れってなんとなく別れで終わるイメージなので、出会いの場面で明るく終わりたいなと思って書きました。
普段恋愛ものを書いているのもあり、最期の一瞬まで愛し合う夫婦が本当に好きなんですよね。生まれ変わってもまた恋人になるというのも大好きで。それと、花言葉を組み込んでオチに使うというのが私の常套手段なんですけど、もうひねってる時間もないのでそのまま好きに書きました。
私こういう話本当に好きなんですよ……KACで初めてご縁ができた方、私は勇者カリムじゃなくてこっちばっかり書いてるんです、スンマセン。
【KAC私だけのヒーロー】私の大好きなヒト
https://kakuyomu.jp/works/16816927861811349023
このあたりから、お題のペースに振り落とされそうになってきました。ツイッターでも阿鼻叫喚でしたね。皆すげぇ……面構えが違う。
で、その前のお題が手癖100%で書いてしまったので、ちょっといつもと違う話を書きたい……と思って幼女と少年騎士のお話にしてみました。
幼女って可愛いんですけど、えっぴなことはできないじゃないですか。恋愛ものを書いている身としてはえっぴシーンは外せぬと思って今まで少女が出てくるお話は書いていなかったのですが、短編だからいいわ、と思って書いてみたら意外と楽しかったお話です。しかしやはり将来的にはえっぴする関係になってほしいな……という願望がラストの一文に滲み出てしまいました(笑)
この二人は書いていて楽しかったので、長編で再構成してみたいなと思っています。普段読まない、書かない、好みじゃないって思って敬遠していても、書いてみると面白いかも! と思えた良い例でしたね。意外と食わず嫌いってあるんじゃないかと思います。そういう意味では、KACは非常に良い機会でしたね。
【KAC猫の手を借りた結果】再生
https://kakuyomu.jp/works/16816927861841233946
またもや出ました、無茶ぶりなお題。しかし、意外とこちらはすんなりネタが思い浮かびました。
語源を調べて見たら、「猫の手も借りたい」という言葉は「ネズミを取ることくらいしか能力のない猫の力さえも借りたい」という意味らしいんですね。なので、「じゃあ無能だと思っていた猫の手が実は超有能だったら面白くない?」という発想から思いついたお話です。
実はKACは普段書かない作風にも挑戦してみたいと、自分の練習台として参加しておりましたので、星新一のショートショートっぽい雰囲気を意識して書いてみました。読んでる人はわかると思いますが、動物が当たり前に人間っぽい生活をしている掌編もたくさんあるじゃないですか。あのあたりをイメージして書いています。
前半と後半は読ませるスピードをわざと変えるように書いたので、後半は井上ひさしっぽい感じを意識しました。どちらも好きな作家さんです。amyazonとクロヌコヤマトがウケてて良かったです。
【KAC真夜中】真夜中のシンデレラ
https://kakuyomu.jp/works/16816927861971729696
これ、マジでキツかったです。年度末なのもあって仕事も忙しく、会社で受けろって言われている資格試験とも重なっていましたし、何より「あとちょっとで完走だ!」と意識してしまったせいで一気にやる気が削げちゃったんですよね。ありません? 受験でも山登りでも、あと少しで終わりだって思うとだらけちゃうやつ。あの現象に陥ったせいでギリギリまで何も書けませんでした。
今だから言えますが、これを書き始めたのが締切前日の午後11時。もう「真夜中」→「深夜0時」→「シンデレラの魔法が解ける時間」という咄嗟に思いついた方程式から書くしかありませんでした。
布団に入りながらスマホで書いていたのですが、何度も寝落ちしながら書いていまして、半分徹夜状態で書き上げました。次の日の仕事が地獄だったのは言うまでもありません(いやダメだろ)
【KAC日記】誰かの日記
https://kakuyomu.jp/works/16816927861994390442
いよいよ最後のお題です。日記って良いお題ですよね。いくらでもネタが出てくる。実は最初、切ないけど温かい系で書くなら死別した夫婦の話、きゅんきゅん甘い系で書くなら交換日記、ギャグで書くなら過去の黒歴史系で行く予定だったのですが、全てのKAC作品を読んでくださっている方からすると、また同じ読み味になってしまうなぁと思い直しました。
新しい作風にも挑戦したいと思っていましたので、最後は今まで書いたことのないバッドエンド系を書くことにしました。
日記文学ってたくさんあると思うのですが、なぜか私が最初に浮かんだのが、ゲーテの「若きウェルテルの悩み」だったんですよね。あれは手紙だったかと思うのですが、彼女への悲痛な愛を叫んで死の場面で終わる、ああいうのちょっと書いてみたいと思ったんです。あとはアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」。あちらも死の直前で終わると思うんですけど、ああいう読者を突き放して強制終了させる物語って結構好きなんです。死の直前で終わるって、その人物は確実に死ぬことはわかっているけれど、その後のことは一切語られない。誰が悲しんだのか、どうやって発見されたのか、どういう状態だったのか。それらを一切放棄して物語を終わらせる。あの突き放された感じを書いてみたくて構想を練ってみました。
お題がある短編の場合、私はまず単語の語源を調べます。次に、その単語から連想される単語を、ブレインストーミングみたいに書き出してみます。そこで面白そうな繋がりがあればそこで書いてみますし、なければその単語が持つギミックで考えてみます。
日記の場合、「書かれていることは全部事実である」というイメージと「自分しか読まないもの」という前提があったので、「じゃあ読み終わった後に書かれていたことが全部ウソだったら?」「誰かに読まれる前提で書いているものだとしたら?」と想像したら結構怖かったんですよね。
なので、この二つの要素を軸に考えてみました。しかし書いているうちに、可哀想になっちゃうんですよね。こいつ最後不幸になるんだなって。だから主人公の心情やパーソナルデータは全く考えもせず掘り下げずに書きました。
初めて書いたホラーでしたが、好意的な反応を頂けて嬉しかったです。しかし、やっぱり自分はあまりこういう話は書きづらいなって思っちゃいました。読むのは大好きなんですけどね、自分で書くと引っ張られてしまう。
ざっと振り返りましたが、まぁこういう感じで書いておりましたー! というメモのようなものです。きっとまた来年は性懲りもなく「参加するぜ!」って息巻いてると思うんですけど、来年の参加はこれを読み返してみて決めます(笑)
それでも、同じお題で色々な切り口からの作品を読むことができたのは良い経験になりましたし、普段作品を読んでる作家さんの全然違うテイストの作品も読めたりして楽しかったです。
私はいつも長編はハピエンの恋愛ばっかり書いているので、これを機に「二刀流」や「日記」なとのどんでん返し系、500%ギャグに振り切ったコメディ系など色々なジャンルに挑戦することができたのも良かったと思います。なんか一番読まれた上位二作品がコメディなんですけど(笑)、私は「出会いと別れ」とか「私だけのヒーロー」テイストのやつが好きです。皆さんもう飽きてるかもしれませんけど、俺の性癖はこれだ!!(どーーーん!!)
このKACを機に新しくお知り合いになれた方もいて、参加して後悔はしていません。大変だったけど(笑)
それでは皆様ごきげんよう!
KAC2022まとめ 結月 花 @hana_usagi
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