日記
MAY
第1話
6月17日(水) 曇り
事件:女子学生の投身自殺
このところ平和だったが、久々に嫌な案件。
若い身空で自殺するのはなぜだろう。
というか、せめて社会に出てから自殺しろ。
せいぜいアルバイトくらいしか社会経験がない身でなにをそんなに悩むことがあるのか。
まったく、やるなら俺みたいに、社会で一人前に苦労してからやれっていうんだ。
気付いてねえと思ってるんだろうが、仕事のできねえ万年巡査長だとか言われてるのは知ってるんだよ。
年下の連中に階級抜かされて上に怒られ下に馬鹿にされ、くそ、そんなことはいい。
俺が言いたいのは要するに、苦労も知らないうちに早まるなって話であって、いきなり出てきやがった若造が気に入らねえって言いたいわけじゃねえ。
イライラするのは湿気がうっとおしいからだ。
間違いない。
6月18日(木) 雨
事件:操作終了
二度と関わらねえと思っていた若造に協力を求めることが決まった。
十以上も年下のくせに、ちょっと階級が上だからってえらそうにしやがって。
ついでに派手な見た目をしてやがるからって、ウチの若いのがポーっとしてうっとおしいったらありゃしねえ。
俺の若い頃はもっと、いやまあ、少なくとも俺は警察官らしいカッコをしてたぞ。
潜入捜査だかなんだか知らないが、あんなチャラチャラした警官がいてたまるか。
なんでそんな奴が出世して、俺がダメなのか、上の人間の考えてることは分かりゃしねえ。
確たる証拠でも持ってこねえ限り、管轄外のおまえに捜査を続けるか終わらせるかなんて決める権利はねえんだよ。
あからさまに何か言いたそうにしたところで、決定権があるのは現場だ。
ああ、あとでウチの若いのに、余計なことを言わねえように口止めしとかねえと。
6月19日(金)
事件:
日記 MAY @meiya_0433
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