日記つけるヤツがいない件~番外編:巨乳バニーガールと最強空手ギャルが弱虫オタクと同棲中

神無月ナナメ@カクヨム住人(非公式)

周囲の誰も日記つける習慣がない?(涙)

 今回が最後になるお題。緊張しながら発表される時刻を待つ。日記……えーっと個人が日々の出来事を記録する文書なんだね。


 単純に記録として残るもの。あるいは文学で扱われる名作か? 内容も様々だよ。ある人間の生涯が綴られたものまで存在する。


 旅行記から職務日報まで。洋の東西や種類も問わないらしい。


 日記を書くような人。周囲に誰もいないんだけど当然かな……意識した瞬間だ。扉が開くと同時。全身屈みながら現れた巨人?


 佳二が想像する巨人は野球チームじゃない。伝説のイデオンか素晴らしい原作版。アニメ映像も豪快すぎる進撃の巨人なのだ。


 連想したゴーグも巨神だ。巨大であり最強ロボット神だった。



「お久しぶりですリュウジさん。ダンジョン入るの本気です?」

 妄想している場合じゃない。対等な相手だけどかなり年長だ。しかもカナエさんの先輩で研究者。博士号を取得した医者かな?


 よくわからない人物だ。改めて見あげる形で目線が交錯する。クズのパチプロだと名乗る相手。2メートル近い位置の視界だ。ほぼほぼ限界値の究極的な高みに……映る世界も異なるはずだ。


 ヒョロヒョロに見えるが風俗店の用心棒!? ボサボサの頭髪にサングラス。本格派のアウトドアグッズはダンジョン対策かな。恐ろしく見えない。圧倒するデカさ。すべて破壊力なんだけど。



 本業も謎すぎる2メートル日本人。国内に何人いるだろうか? 世界レベルまで到達できるよ。スポーツ選手を連想させられた。


 以前カナメ先輩経由で依頼されたストーカー案件。被害女性が夜のミナミに際だつ美貌だ。判明した相手も普通の居酒屋店長。公にもできず佳二が介入した。店長は事情が判明しての戦慄だ。


 のちに一度来店して渡した彼お手製のバスケット料理。店内で

振舞われ客に限らずはしゃいだ女たち。釣られた女性経営者まで

咀嚼。満面笑顔で店長に抱きついた場面が界隈の逸話になった。


 とにかく最後の望みで問う佳二……「日記つけてませんか?」



 日記についてオレが語るのか? クズ同然の人間なんだがね。本名だと? 大昔捨てた名前が九頭竜令二……リュウジでいい。


 かなり難儀だがねぇ……佳二くん。もちろん昔の話だけどさ。ちょっとした駄文。オレも月刊誌で連載したことがあるんだぜ。

 当時原稿料も……ちょびっと飲んで終い。はした金だったさ。


 もちろん消滅した会社。胡散くさい編集長の怪しい攻略誌だ。いまも残る大手は真っ当だろうよ。解析した情報とか実践記録?

 ネタ的なオカルト攻略メインさ。あの類だと考えればいいぜ。


 まれに大昔の知人から穴埋め? 短文の依頼なら時折くるよ。そうだなぁ現代は収支表が必須でな。これも研究に近いんだぜ?



 いつどこで誰が何をして最後どうなるかさ。基本にして重要。まぁ記録ノート? ちょこっとした実戦まとめ結果を残すんだ。

 こっちはナイショだぜ。ホントなら文筆業ライターで確定申告も必須。


 オレの場合……公にできる部分と兼ねあいが絶妙なんだよな。ほとんど匿名さ。昔から活動しても実績なんてものは夢の如し。

 パチンコも年間収支トータル。プラスなら納税義務が発生するからな。


 とにかく厳しい世の中で。忘れ去られた緩やかな全盛期さ……

「田山幸憲のパチプロ日誌」。東京の片隅あるいは神奈川外れ。一店通いスタイルがジグマ。パチプロの美学を貫いた人生録さ。


 クズ人間の考えだけどな……史上最高。最強の日記なんだよ。



 田山プロ。狭い業界を生きぬいた関係者の規範になる人物だ。もちろん昭和終盤から平成中期。いわゆるパチンコの全盛期さ。


 プロが最初に弾いた時代は手打ちだろう。もしくはハンドルが固定された電動化。盤面にチューリップ連動役物時代の初期だ。



 田山プロな……オセロやオレの先輩なんだぜ。すんげぇだろ? オレの高校時代。寮空室の賭場じゃねぇや。倉庫に積みあがった創刊当初からの必勝ガイド。見つけてから読みふけった連載だ。


「東大中退。田山幸憲のパチプロ日誌」タイトルに驚かされた。オレが現時点でも一番尊敬する業界人。会ったことねぇけどな。

 酒飲みでタバコも男なら必ず吸う時代。最期は舌ガンだった。



 とにかく……読みやすい。一目で理解するワクワク感とかな。羽根物と俗にいうフィーバー台さ。保留玉で連チャンする機種。全盛期の雑誌連載だ。月間からの隔週化。途中で毛色も変わる。


 それでもあれか? 当時のパチンコ実践記録として秀逸だぜ。シマ一番台を探すんじゃねぇ。前日から開けられた道。ハカマと命釘に台のクセまで考慮して終了させるんだ。その繰り返しさ。


 デジタルも同様だ。スタートチャッカー開けた台のタコ粘り。田山プロが当時「タテの比較」名づけたアゲ台の選択方法だな。令和パチンコも設定の開け閉め。当時と変わんない部分かもな。


 オレが語るのもおかしな状況だけどな。人生は紆余曲折だろ?



 終わりよければすべてよし。我が人生一片の悔いなしが理想。美学もしくは自己を最後まで貫くことだ。それじゃねぇのかな。


 むろん絶版なんだが……十数冊の人生譚。発売してるんだよ。オレに同じことなど到底無理さ。なにかしら残したいけどな……



 さすが最高学府出身。院卒研究者……ほんのちょびっとだけど文章も書く佳二。この世に生きた証として日記も悪くないよね。明日からでも記録を正式に残そうか。可能なら小説形式だね……

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