あなたへ繋ぐ日記帳

　高校の文芸部に所属する王寺彩は、部室の大掃除をしている時に資料棚の奥から一冊の日記帳を発見する。

　それは鍵付きの古びた日記帳で、表紙には『戸口大分』という名前が記してある。

　しかもその名前の横には『興味のある者は読んでも良いが、内容については他言無用』と注意書きが記されている。

　戸口大分は数十年前にこの高校の文芸部に所属していた先輩であり、のちに『近代の文豪』と呼ばれるようになった大作家。ゆえに彩は内容に興味をひかれることとなる。

　だが、日記帳に付いている南京錠の鍵は見当たらず、内容を確認することが出来ない。

　そこで彩はなんとかして解錠しようと奔走するのだが……。


　――物語は空想世界から現実世界へ。