第218話「結月の想い」+ レオと結月の心情についての解説
閲覧、いつもありがとうございます。
今回は、前回話していた、心情面についてのオサライをしていきたいと思います。
まずは、レオの復讐についての感情ですが……
前回、結月が『一番助けたかったのは、あなたのお父様でしょ』と言っていたとおり、レオの一番の後悔は、お父さんを助けられなかったという切ない感情でした。
気づいた時には、もう父はおらず、生きていた時ですら、レオはただ子供らしく、玲二の帰りが遅いことに不満を抱いていました。
でも、玲二自身は、レオより仕事を優先していたわけじゃなく、やりたくもない残業を、無理やりさせられていたわけです。阿須加家に。
これは、第149話『復讐と愛執のセレナーデ ④ ~弱者~』https://kakuyomu.jp/works/16816452219440316469/episodes/16816452221074479670
でも語っていますが、レオが、なにより許せなかったのは、自分自身です。
父親の苦しみに気づけなかった、助けられなかった自分が、一番憎かった。
でも、阿須加家に逆らうとしても、美結にあっさりあしらわれてしまいます。
力ないレオは、将来を悲観し、父親の元に行こうとしました。でも、そんな所を、結月に助けられました。
また、同時に事故から救われたことで、死ぬのが怖いと気づいたレオは、死ぬことすら出来なくなります。
そして、結月が阿須加家の娘だと知ったことで、その行き場のない感情は、同時に、復讐へと向かってしまいました。
きっと、復讐を果たすことで、お父さんに許してほしかったのかもしれません。
でも、復讐をするはずが、レオは次第に、結月との時間に安らぎを感じるようになります。
祖母にも忘れられ、親戚にも邪険にされていたレオにとって、結月との時間は、唯一の癒しでした。
そして、そうするうちに、次第に真っ黒だった心も、少しずつ癒されていきました。
ですが、それと同時に、結月が両親に虐げられていることを知り、レオは次第に、結月に父を重ねるようになります。
父親だけでなく、大切な女の子まで苦しめている阿須加家。レオの心に、再び復讐心が芽生えました。
父のようになる前に、結月を救い出したい。
それは、純粋な恋心から来るものでもありましたが、結月を救うことで、父親も同時に救うような、そんな気持ち抱いていたかもしれません。
次に【結月の感情】ですが、結月は結月で、レオが復讐のために自分の傍にいるとに気づいていました。
結月は、レオと出会う前から、玲二の事を知っていたので、一緒に過ごすうちに、レオが玲二の息子だとわかってしまいます。
ちなみに、第154話『復讐と愛執のセレナーデ ⑨ ~婚約者~』(https://kakuyomu.jp/works/16816452219440316469/episodes/16816452221273139161)の中で前半はまだ知りませんが、3月に入った頃には、もう気づいていました。
でも、結月は、気付かないふりをし続けました。結月もまた、レオのことを好きになってしまっていたから。
当時、本当の家族が欲しかった結月にとって、レオの存在は、かけがえのないものでした。
使用人たちのように、一線を置くわけではなく、レオは、結月を普通の女の子として接してくれます。
でも、レオを好きになればなるほど『自分がそばにいてはいいのかな?』そんな感情も抱くようになりました。
結月は、顔も知らない相手と結婚する身です。それに、なんたって結月は、レオにとっては仇の娘なわけですから、自分と一緒にいれば、レオは、ずっと阿須加家のことを忘れられない。
だから、結月は、時折レオを、突き放すようなことも言っています。
第162話 復讐と愛執のセレナーデ ⑰ ~慟哭~
(https://kakuyomu.jp/works/16816452219440316469/episodes/16816452221273213542)
では、フランスに行くと言ったレオに、笑顔で『よかったね』などといっていますし(その後、本音を引き出されるけど)
第197話『愛の夢』(https://kakuyomu.jp/works/16816452219440316469/episodes/16816927861196044106)
では『戻ってきた時に私が結婚していたら、略奪なんかせず、他の人と幸せになって』と言っています。
でも、どんなに突き放そうとしても、レオは結月を、絶対に手放そうとしませんでした。
そして、それが、結月にとって、どんなに嬉しかったか……
結局、結月は、レオと将来を誓いあい、いつか本当の家族になることを約束して別れます。
また、別れたあとと、結月は、いつか親をすてる覚悟で、レオが迎えに来るまでに外の世界のことをできる限り学んでおこうと考えました。
でも、その矢先、婚約者として冬弥を紹介され、結月は階段から落ち、記憶をなくしてしまいます。
レオとの約束のために、必死に親に反抗した結果、大切な人との記憶をなくしてしまいました。
でも、その後も、レオに渡された空っぽの箱を支えられ、結月は成長します。そして、別れの日から8年、レオが執事として戻ってきました。
もちろん、結月は忘れていますが、紆余曲折ありながらも、再び記憶を取り戻すことになります。
でも、記憶を思い出したことで、レオの父のことも同時に思い出し、結月の葛藤が再び始まってしまいます。
レオを選ぶことに迷いはありませんでした。
親を捨てる覚悟も、しっかりできています。
でも、胸の奥でひっかかるのは、ホテルで苦しむ人達がいることと、レオが自分を守るために、その人たちを巻き込み、阿須加家を潰そうとしていること。
そこまでしてくれるレオを愛しくおもいながらも、復讐を果たしたあとのレオが、結月は心配でした。
物語の中で復讐をはたした男は、とても苦しんでいました。これは、大人になったから、気づけたと言うのもあると思います。
子供の頃には、気づかなかったことにも、知識が増えたが故に気づいていく。
また、第197話『愛の夢』(https://kakuyomu.jp/works/16816452219440316469/episodes/16816927861196044106)で、結月は『父親の代わり』と自分のことを言っているのですが、結月は、レオが自分に父親を重ねていることにも気づいていました。
父親が阿須加家に苦しめられ、理不尽な死をとげたからこそ、レオは必要以上に自分を助け出すことに執着している。
でも、だからこそ、このままレオに復讐をさせていいのか、結月は真剣に悩みます。
レオが、一番助けたかったのは父親です。
でも、父親と同じように苦しんでいる人たちを巻き込んだら、レオが救いたかったはずの父親を同時に苦しめるようなもの。
でも、だからと言って、駆け落ちを諦めるという選択肢はありませんでした。それは、結月も嫌だったし、レオが一番悲しむことです。なにより、レオの8年が全て水の泡になります。
なら、このまま一生隠し通し、レオと共に復讐を果たそう。そして、一生、レオを支え続けよう。結月は、そう思うようにもなります。
でも、別邸から帰ったレオの姿をみて、また不安を抱てしまいました。レオは、復讐を果たしたあと、きっと1人で抱え込んでしまうと……
ちなみに、この時、結月が不安がっていたことに、ルイは気づいていました。
だから、レオに話せとけしかけたのかなと。
また、ルイも結月と同じように、復讐を果たしたあとの、レオが心配だったのだと思います。屋敷を出たら、ルイはもう、レオの話を聞いてあげられませんしね。
そんなわけで、ルイの後押しもあり、レオは、父親のことを結月に話そうとします。そして、それに気づいた結月も、話す決心を固めました……と、だいたいこんな流れです。
実は、レオから結月に向けた愛情も並大抵のものではありませんが、結月からレオに向けた愛情も負けず劣らずと言ったところです。
二人とも、愛に飢えていたが故に、絶対に手放したくなかった。結月も、レオから自由を奪ったとか言っていましたしね。
きっと結月も、レオを思う気持ちと、自分の気持ちの間で、色々葛藤していたのだと思います。
でも、嫌われたくないと、お互いに触れずにいたことを話したおかげで、その不安も無事解消されました。
この先は、なんでも語り合える仲。まさに、裸の付き合いです。……て、今まさに裸でしたね、この二人(笑)
ていうか、こういう解説を語るのって、かなりマヌケなことなんですよね(笑)
普通は、物語の中で語るべきだから、解説するって、ちゃんと書けてない証拠だからね!!笑
でも、無駄に長いんですよね、この作品。だから、定期的に解説を挟まないと、色々ごちゃごちゃになりそうだから、許してください。
はい。本当に、未熟な作者ですみません!
では、今回はこれにて!
長いまとめにお付き合いくださり、ありがとうございました!
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