今宵は、千佳の『おもちゃのチャチャチャ』なの。

第十回 お題は「真夜中」……ようこそ、ファンタジックな世界へ。

　――開く扉！　真夜中といえば、小さい頃に見た魔法のお時間。

　始まりはもう、おもちゃ箱が開いたようなイメージ。その時間は、僕は魔法少女になれるの。……実はね、お母さんにもパパにも、梨花（りか）にだって知らない世界だ。

　それで僕の彼氏、太郎（たろう）君にはお話したけれど、

「千佳（ちか）って、ホント可愛いよな」……って、笑うんだよ。確かに僕は子供っぽいけど、彼女が恥ずかしいのを我慢してお話しているのに、それはないんじゃない？　彼氏ならドンと受け止めて欲しかったけど、まあ、今宵もジャッジメントのお時間を迎える……

　舞台は、まるでエブリアニメにありそうな風景で、どちらかといえば、ディズニーのような感じかな？　可愛らしい風景なの。魔法少女の装備、もちろん魔法のステッキ。

　古くから継承される伝説のアイテム。

　変身により、ボクッ娘も女子力アップ。天使のような趣の生まれたままの姿。そこからのコスチューム。黄と青のカラーリングが、この真夜中に冴えわたる。可愛くもカッコよく。すると北の空から星の基地から、十四機にも及ぶロボット兵が攻めてくる。多種多様の武装も仕込みながら……迎撃する紅の豚さんたち。飛行機に乗るも、銃撃するも。

　僕は白い翼を広げて……

　舞うは月明かり。魔法のステッキは時としてバスターライフルにもなるの。しかもビッグサイズなもので、これは梨花からアイディアを頂いた。天使のような趣の、バンプラから。これまでは名乗りを上げたことはなかったけれども、敢えてこの場で上げるの。

　――マジカルエンジェル・チカ！

　と、とある魔法少女のアニメのように名乗りも、そしてポーズも決めながら。……いずれは発売されると思われる僕のプラモデル。僕がバンプラになるかも？　或いはフィギュアになって子供たちの夢を守る……これって、まるでおもちゃのチャチャチャだね。

　そうなの。――真夜中は子供の夢のお時間。

　僕はバスターライフルをもって夢へと誘う。夢は楽しいものなんだよ。攻めてきた十四機のロボット兵も、もうお友達。十四機合体を楽しみつつで皆一緒に遊ぶのだから。