第4話 ゼロから始まる異世界ゲーム生活
「ああ疲れた。アルダスさんルウラさんただいま戻りました」
「お帰りなさい雪菜様、アキちゃん」
「おせえな大将、もうはじまってんぞ」
「鍛錬だけは欠かせないよ」
私は生かされた。ただのバグと成り果てた私をアキちゃんが修復し、それによって動き出したヘルプさんが死に戻り地点を設定したのだ。そしてその数秒後、死に戻った。ギリギリ、一発勝負の修復劇だった。
サラマンダーから始まる一連の事件は「雪菜騒動」と呼ばれ、刑事レベルで捜査が入っている。が、TSSはヨネダの傘下にある。うやむやになって終わるだろう。
ヨネダのダメージはなんとか持ち直した。それどころか超長期ダイブの実体験をした私が現実世界で何の異常もないことによって、世界一位企業「ユニバース」を超長期ダイブ分野で圧倒したと見なされて株価は少し上昇したほどである。ログアウトできない原因は全てTSSにあるって押しつけた格好だけどね。
ちなみに私は再生成してもらうときにバグで小さくなっていた身長を元に戻してもらい、175センチメートルになった。嬉しいのだが、嬉しいのだが……。
「ほらほら雪菜、わらわの口が開いておるぞ」
「すみませんアキ様。焼けたお肉を差し上げます、はい、あーん」
「もぐもぐ、おいしい。ごしゅじ、雪菜も立派なおきつね族になるんだぞ」
「はい、頑張ります」
そう、なぜかハーフエルフからアキちゃんの種族であるおきつね族に、種族が変化したのだ。まあ、尻尾かわいいから良いんですけども。今はアキ様に使える身である。
「おう、もうやってるのか。タナカ肉店の肉はうめーだろ?」
「おう、ディンゴ。また美味しいところ教えてくれてありがとう。私もおきつねになったんだけど、どう? ビビッとこない?」
「全然こねえな。アキちゃんじゃねえとだめだ。ああ、アキちゃん、この度はお呼びくださって……」
なんか盛り上がっているうちにOrderのオットーさんも来店。
「みんな楽しそうだな、元気で何より」
「おおオットー、お前もアキちゃん派になりにきたのか?」
「なぜそうなる。雪菜さんのおかげでスピリナ~カリアナ間の整備が出来そうと言うことで今回の宴に参じただけだ」
そう、オットーさんはジダンへ移住することはなかった。代わりに地方の道路環境の整備をすることにしたそうだ。私の書籍の売り上げは資本金として運用に回すとのこと。5層の人から4層程度の組織であると認定されたけど意に介してなさそう。
「しかし大将がいなかったらジダンへの被害はどうなることだったか。どこの試算でも壊滅ってところばかりだったぜ」
「怨念だから、壊していくうちに気分が晴れて消滅する感じもするけどね」
「そういや雪菜の現状ってどうなんだ? 天買人がどうなったとか、まだ聞いてねえぞ」
「ああ、それはね――」
天買神になった。
お金ではなくて経験値で買うようになった
購入レベルが撤廃された。けど、100が暫定的な限界点となっている
スキルLvは全部0からスタートとなった
ゲームバランスエディタは天買人の制限として0である
痛みに関してはつどヘルプさんが判断して数値を変更する
ステータスはほとんど持ち越された
ヘルプさんが行動するようになった
ログインログアウトは安全に行えるようになった
天買人が実装された
「――大きいところではこんな感じかな。経験値だとライド収益とか印税とか使えないから厳しいよー」
「なるほどなあ。どうせ今回も銃を使うんだろ? あのとんでもねえステータスを持ちながら魔法に行かないなんてなあ」
「当然。ゲームバランスエディタが働かなくて、かつ全てのスキルが取得できると最強は銃だもん。まあ、魔法は強いけども……」
「そうかそうか。そういや意識加速ってどうなってるんだ?? 一日いないだけでめちゃくちゃ進んでるんだが」
「一日現実で生活するだけでかなり置いて行かれちゃうねえ。今現実の一週間で2年経過するからね、TSSは。執筆場所としては最強だなー」
「マジかよ……執筆する分には大量に書けるな、2年いたって加齢もしないし。意識のすりあわせをすればすぐに18歳の榊雪菜に元通りってやつか。何でもありだな、今の環境は」
「ヨネダ肝いりのTSSと榊雪菜ですので、おほほほ」
「こまけぇことはなしにして大将、乾杯だ乾杯!!」
「はーい、じゃあ色々と記念をしてカンパーイ!」
「「「「カンパーイ!!」」」」
そう、またゼロから始まる異世界ゲーム生活なのだ。
完全にゼロから始める異世界ゲーム生活~VRMMO始めたのはいいけど、バグって農民スタートだった。私だけお金で全職業のスキルと補正が買えるので、何もかも買いまくって一般プレイヤー以上に強くなります~ きつねのなにか @nekononanika
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