とある男の異世界転移
MAN online
世界はムジョウ
今日も仕事から、徒歩で帰る。仕事はかなりのホワイト企業で定時には帰らせてもらえる。その分勤務時間はそこそこキツいが・・・。
自宅まで所要時間は30分、地下鉄を使えば早いが健康のために歩く。健康には気をつけないと俺には看病してくれる恋人や家族、身寄りもないからだ。
公園のそばを通り、子供の声が聞こえてくるのを聞き流しながら赤信号を待つ。早く青にならないだろうか。そう考えた所で、隣をボールが跳ねて通る。その後を追って子供が・・・危ない!!
信号に従い走って来たトラック。運転手はボールを見てブレーキを踏んだ様で速度は落ちているがそれでも危険だ。全力で走り、子供を捕まえて後ろへと放り出す。
ああ、これじゃ、俺がトラックに轢かれ
目を覚ますと、どうも訳の分からない所に居る。生い茂った草や蔦が絡みついた建物の中に居る様だ。ここはよくネット小説なんかで読んだ異世界だろうかと辺りを見回すと、緑色の肌の、単眼の生物が一斉に群がってくる。ゴブリンか何かなのか!?半分は恐怖に呑まれながら、半分は覚悟を決めて近くにあった棒で化け物を殴りつけた。
―――――――――――――――――――――
「先生!患者が意識を取り戻しました!」
「そうか!容態は!?」
「それが、正気を失って暴れています!」
「何だって!?他の患者を避難させて――――――
男は異世界になど、行ってはいなかった。
しかし彼が欠けても世界は廻る。
一時、子供を事故から救った英雄としてテレビで騒がれた、彼の事を覚えている人はほんのしばらくもすれば居なくなった。
とある男の異世界転移 MAN online @kurenainoamanojyaku
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