本も料理も…人を楽しませ涙させる。そこに作者の極上なソースがあるから…

シリーズ8作全てを拝読! 
そしてこのお話は、メインとなるデリツィオーゾが侵略者の手に落ちたその後のストーリーになります。

そこに描かれていない二人(天才料理人と天才毒見)に思いを馳せるな…と言う方が無理でした。


このお話の主人公マウロさんも料理人。
彼が作ったそれは、細く切ったベーコンと青菜、金色の溶いた鶏卵のスープ。

まだ、喧騒と美食に満ちた街路だった思い出のスープ…。

最後、作者様がこのお話を通して何を訴えたかったのかわかります。
 
優れた文章は、登場人物の性格まで手に取るように伝わり、目の前で湯気が立ち上がるような細かな料理説明は、温かい椀を手の平に抱えているようでした。

まだシリーズを通してご覧になっていない方がいらっしゃいましたら、ぜひ。 

メインの『笑顔のベリーソース』の拝読と一緒におすすめします♡