現実と幻想の間の美しい掌編

難題が続くKACにおいて、幻想的で、それでいてはっきりと場面を浮かべることの出来る一編です。スマホで写真を残せる時代だけれども、それだからこそ、絵に残すという意味が大きくなっていると思う。古来より、魂と鳥は密接な関係にある。この鳥は、間違いなく従姉であり、そして、主人公の心を甦らせる使者としてやってきたのだろう。鳥は飛び立ち、また誰かの元にたどり着くのだと思う。今度はまた違う誰かの魂を乗せて。