何故か千佳と梨花がバトルを繰り広げることに……なっちゃったの。

大創 淳

第四回 お題は「お笑い/コメディ」


 ――これもまた、思いもしなかったお題。僕は、目を凝らしながら立ち尽くした。



 そうしている間にも、脳内を駆け巡る思考。……僕は、あることに気付く。ここは思わずとも、お笑いの宝庫と呼ばれる地域。上方と呼ばれる地域。漫才が有名な場所だ。


 それ以前に、去年は『藪からスティック』というフレーズをタイトルにしていた。


 ウメチカといえば、関西……


 道頓堀も近く、新喜劇も近し。お笑いの宝庫なの、「なんでやねん」で超有名な。


千佳ちか、今度のお笑い・・・は……」

 と駆け足で、梨花りかは僕に声を掛ける。


「梨花、それを言うならお題・・は……でしょ」

 と僕は、ツッコミも込みで答えたの。さり気もなくボケとツッコミが成立したの。


 ハッとなる梨花。しかしながら反撃は考慮の内で、僕は無敵を気取るが……そこで思うの。僕は『ウメチカ』とペンネームも、執筆するエッセイのタイトルも、生粋の関西人の現われと確信するけれど、梨花は異なるの。一卵性双生児だけど、育った環境は異なっている。梨花は『東の都』で十五年の人生の内、三分の二は過ごしている。なので、関東人とも言えるのだ。従って関西人と関東人のバトルを見ることに……


 喩えるなら、上方と江戸の漫才のように。



 あっ、そういえば……


「お笑いのポイント、今度は上方と江戸の大喜利対決だね。この度のお題が『お笑い/コメディ』だけに。フフフ……負けないよ、僕は江戸だから」


「フムフム、お笑いのポイントとは、いかにもオブラートに包んだね、梨花。笑点なだけにお笑いのポイント。これはポイント高いね。でもでも僕は生粋な上方だから」


 ――と言う具合に、火花を散らす展開に!


 お笑いは、時としては激しきバトルを展開することもあるの。ゆずれない戦いとして。


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何故か千佳と梨花がバトルを繰り広げることに……なっちゃったの。 大創 淳 @jun-0824

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