魔食者アジュリットのレシピ(5)への応援コメント
今回の5話もとても楽しく読ませていただきました。
これまでの1~4話もそうでしたが、この5話も読んでいてとても心地よく、爽やかな気持ちにさせていただきました。
コカトリスの料理のシーンの描写がわかりやすく、それでいてテンポもよくて、ほんとうに目の前で料理をしているかのようにワクワクしながら読ませていただきました。
読んでいる私達がこんなにもおいしそうに……まだ食べていないのに、こんなにもおいしそうに感じられるのですから、(作品の中で)目の前で料理を実際に見ているフィヌーユさんやマスター、他の冒険者たちはさぞかし目を輝かせアジュリットさんの料理を見ていたんだろうなと思いました。
また、料理をする前フィヌーユさんとマスターさんからかけられた「お願いします!」とか「頼んだぞ嬢ちゃん!」という言葉、カウンターの客や冒険者たちの歓声の場面もとても好きです。
少なくともこれからアジュリットさんがする料理は一人であり、作ったことはあっても慣れていることではないわけで……
また、アジュリットさんの境遇を考えれば、「多くの人からの視線」の経験はあっても、それは決して良いものではなかった。
同じたくさんの視線であっても、今回は期待と、盛り上がりと、そして荒っぽくてもやさしさに満ちている。
魔獣の料理を通じて、アジュリットさんがこんなに多くの暖かさに囲まれているのを、コカトリスの唐揚げを教えてくれたアジュリットさんの父親も知ったらきっと喜ぶだろうなと勝手に想像しながら……暖かい気持ちで読んでおりました。
次回もほんとうに楽しみです。
ありがとうございました。
作者からの返信
今回も嬉しいコメントをありがとうございます。
もっともお腹がすく深夜帯に、自分もお腹をすかせながら執筆したかいがありました!
この辺りのシーンは、私自身もチリソースをかけた唐揚げ食べたいと思いながら書いていたので、調理中のわくわくした感じや美味しそうな雰囲気を感じていただけたのなら、とても嬉しいです。
本当に、いつも細やかな点にも注目して読んでくれて、ありがとうございます。
また次回もお時間に余裕があるときにでも、お楽しみいただけたら幸いです。
こちらこそありがとうございました。
魔食者アジュリットのレシピ(4)への応援コメント
今回の第4話もとても楽しく読ませていただきました。
印象に残ったのはやはり、コカトリスのソテーをアジュリットさんが食べるシーンです。皮の香ばしさ、適度な硬さ、お肉の歯応え、溢れ出す旨味、香草と肉の混じったかおり、そして確かに存在する苦味……
「コカトリスの味」は想像できなくても、「フィヌーユさんに調理されたコカトリスのソテー」の味は想像できるのは、もなか様の丁寧で読みやすい文章のおかげだと思います。
実際には存在しないものを想像することができる……小説の醍醐味を冒頭から与えていただいて大喜びしつつ読ませていただきました。
また、料理の感想を伝えたアジュリットさんに対して、フィヌーユさんも酒場に集うひとたちも、みんな『魔獣の肉を食べたひと』に対して怖がったり嫌がったりせず、
そればかりではなく、アジュリットさんに対して、正しい料理法を教えてくれと接近してくれて、周りのお客さんもそれに盛り上がっていくところが、とてもほっとして、同時にワクワクしました。
この盛り上がりは、このマギアブルクが冒険者の街だからこそなのかなと思いました。
未知のもの、まだ明かされていないものに挑んでいくのが冒険者ですものね。
フィヌーユさんがコカトリスで料理をしようと思ったのも、冒険者ではなくても、冒険者が集う、この街の一員だからなのかな……という想像が楽しかったです。
次回を読ませていただくのが、今からとても楽しみです。
ありがとうございました。
作者からの返信
今回も嬉しいコメントをありがとうございます。
魔獣の肉は現実には存在していないものなので、味の表現をどうするかは本当に悩みました。
ベースの味は鶏肉にしようと決めたあとも、普通の鶏肉とは異なる味をどうするかとまた悩み、形にしたところなので、そこが印象に残ったと言ってもらえて本当に嬉しいです。
また、周囲の反応からマギアブルクという町の空気も感じていただけたようで、魔獣料理という題材にしてよかったです。
また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
こちらこそありがとうございました。
魔食者アジュリットのレシピ(3)への応援コメント
今回の(3)もとても楽しく読ませていただきました。
印象に残っているのは、最後のアンジュリットさんの祈りの言葉です。
魔食者がただ魔獣の肉を食べる一族でなのではなく、食べる前に感謝を口にするところに、
魔食者が、例え魔獣であっても、その肉を大切にしていることが感じられて、アジュリットさんだけでなく、見たことのない他の魔食者のこともすきになりました。
たった一言ではありますが、その一言で、これまでも魅力的だった魔食者という存在の背景に、更に深みが増して……しかもそれを章の最後に持ってくるもなか様の文章構成力に感動しました。
また、読んでいて存在や背景に深みを与えられているのは、もちろんアジュリットさんだけでなく、フィヌーユさんやマスターもです。
なぜコカトリスの料理を魔食者ではないフィヌーユさんが作ったのかという理由が丁寧にわかりやすく書かれていて……しかも、その理由が、この作品(この世界)の魔物のあり方にしっかりと根ざしたものであることがわかるのですよね。
第一話(1)で、アジュリットさんが訪れているこの街が、魔法加工品と冒険者たちの町であることが描かれていて、そこにコカトリスが増えてきているとわかれば自然と討伐される数も増える。
討伐される数が増えれば、その死体、その肉は……と自然に思えますものね。
「倒されて終わり」である魔獣が、しっかりと作品の中心にあって、だからこそ、それを食べる魔食者であるアジュリットさんの存在も引き立って……読めば読むほど、登場人物や街の『解像度』が上がってくる、すてきな話でした。
次回を読ませていただく時がとても楽しみです。
ありがとうございました。
作者からの返信
今回も嬉しいコメントをありがとうございます。
農耕民族と狩猟民族で考えたとき、アジュリットたち魔食者はどっちに当てはまるんだろうと執筆中に考えたことがあるんですよね。
その結果、魔獣も獣の一種で、そうなると狩猟民族だろうから、自分たちを生かしてくれる命や肉に対して感謝の気持ちを大切にしているだろうという結論が出ました。
ここの描写は、そういった考えから入れてみました。
フィヌーユやマスターがどうしてコカトリスの肉で料理を作ったのかという説明パートも、ちゃんと描写できていたようでほっとしました。
また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
こちらこそありがとうございました。
魔食者アジュリットのレシピ(2)への応援コメント
第2話もとても楽しく読ませていただきました。
短いやり取りの中で、フィヌーユさんとお客さんとの関係がわかり、同時にこのお店の雰囲気も伝わってくるのがとても好きです。
フィヌーユさんやお客さん、マスターの台詞が説明敵ではなくて、いきいきとしていて……こう、この時だけでなく、普段から彼らはこんな風に、軽快に言葉を交わしているんだろうなというのが感じられるのがほんとうにすごいなと思いました。
文章に奥行きというか……時間の広がりまで感じせてくれるもなか様の文章に感動です。
あっという間にこの『勇敢なる剣亭』が好きになってしまいました。
また、フィヌーユさんやマスターとアジュリットさんの会話の場面もとても印象的です。
アジュリットさんが積極的に話す性格ではなさそうだということを見抜いて、明るく声をかけるところも微笑ましいですが、
フィヌーユさんはアジュリットさんが旅人であることは確認しても、アジュリットさんがボロボロのフードをかぶったままでいることや、その奥の白い髪や赤い目、頬の痣のことは、見えていても口にしないところが、フィヌーユさんの距離感の取り方が絶妙だなと思いました。
読者からしてみれば、フィヌーユさんやマスターはおそらくほんとうに良かれと思ってアジュリットさんに声をかけているわけですが、アジュリットさんからしたらまだ他人ですものね。
これ以上はまだ踏み込まない方がいいのだろうというところを、フィヌーユさんはちゃんと理解しているのだということがこのやりとりの中で感じられて、とても好きな場面です。
アジュリットさんが目をつけたフィヌーユさんの『失敗作』……アジュリットさんが食べることになるのか、それとも……
次回もほんとうに楽しみです。
ありがとうございました。
作者からの返信
お返事が遅れてしまって申し訳ありません。
今回も嬉しいコメントをありがとうございます。
フィヌーユたちのセリフが説明的でなく、自然な感じに描写できていたのなら本当によかったです。
説明的になってしまっていないかどうかは、いつもすごく気にしているところなので……。
フィヌーユのアジュリットに対する距離感の取り方にも注目してくれて、ありがとうございます。
宿屋という場所で働いているからこそ、距離感の取り方は身についているのではというイメージがあったので、そういった雰囲気を感じていただけたのなら嬉しいです。
また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
こちらこそありがとうございました。
魔食者アジュリットのレシピ(1)への応援コメント
『魔食者アジュリットのレシピ』、(1)を読ませていただきました。
丹念でありながら読みやすい文章に一気に引き込まれて、読んでいて脳裏に情景が浮かんでくるようでした。
特に印象的だったのは、アジュリットさんの言葉です。
単に魔食者の設定を書くだけでなく、「コカトリスが食べたいなぁ……」とつぶやかせることで、魔食者という存在の特異性がより際立って感じられました。
魔獣やモンスターと呼ばれる存在は様々ですが、コカトリスという選択肢がほんとうに絶妙だと思いました。
知名度があり、強力な魔物であり、なおかつ「鳥」の属性があるので、読んでいて、「魔食者という特殊な存在の血を引くアジュリットさんならば食べられそうだ……」と思えるライン。
ファンタジーな要素と、読み手の現実感のバランスを取るのが非常に上手いというか……
第一話という読み始めのパートだからこそ、小説という媒体だからこそ、『魔獣を食べる』ということをイメージしやすい範囲を把握してらっしゃる感じで……
例えばこれがゴーレムだったり、ガス生命体だったりしたら、『食べる』ことをイメージしにくかったと思うのです。
また、アジュリットさんが宿屋の前で足を止めた場面も好きです。
アジュリットさんは魔食者の血を引いているために気味悪がられてしまうし、資金がないから宿屋に入ることができなくて、
入れないからこそ、窓から溢れてくる光や、聞こえてくる笑い声が、中に入ることのできないアジュリットさんの感じている孤独感を増すのですよね。
壁一枚、ドア一枚を隔てることで、主人公の置かれている立場をよりはっきりと理解することができる……もなか様の文章力、演出力に感動しました。
厳しい状況に置かれている主人公だからこそ、今回の話の最後に出会ったふたりが、食事や会話を通じて、今後どういう関係を築いていくのか……とても気になります。
ほんとうにすばらしい1話をありがとうございました。
次回を読むときを楽しみにさせていただきます。
作者からの返信
お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
今回も嬉しいコメントをありがとうございます。
文章の読みやすさはいつも気にしているところなので、読みやすい文章になっているのなら本当に嬉しいです。
アジュリットが宿屋の前で足を止めるところも、普通の人々とアジュリットの立場の違いを印象付けたかったところなので、そのシーンが印象に残っているという感想もすごく嬉しいです。
また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
ありがとうございました。
魔食者アジュリットのレシピ(6)への応援コメント
このたびは当企画へのご参加ありがとうございます。
大変面白かったです♡
野獣料理を美味しく唐揚げに(*^^*)
なめらかな語りで、料理の香りや油の音が聞こえそう!
これからも、すごく繁盛しそうですね!
連作がもしかしてありますか?
是非とも違う料理方法も、伝授いただきたいです♡
作者からの返信
こちらこそ、素敵な企画に参加させていただき、ありがとうございます。
ご飯が美味しそうに見える描写はもっと上手になりたいと考えているところなので、香りや油の音が聞こえそうというお言葉が本当に嬉しいです。
コンテストに出そうと思って執筆した作品なので、連作にするかどうかは現在少々悩んでいるところです。
ですが、他に何かこういう料理がいいなというのが思いついたら、連作になるかもしれません。
今回は嬉しいコメントを本当にありがとうございました。
大変励みになりました。
魔食者アジュリットのレシピ(6)への応援コメント
最終話もとても楽しく、そしておいしく読ませていただきました。
この作品を読み始めて、アジュリットさんのことがどんどん好きになっていく中で、アジュリットさんは最後どうなるのだろう……というところが気になっていました。
1話の時点で魔食者の血を引く者は、現在ほとんど姿を隠して暮らしている……という描写があったので、
もしかしたらアジュリットさんもこの料理が終わったらマギアブルクの街を離れていくのではないかと思いながら読んでいました。
ですが、マスターさんからアジュリットさんへ告げられた、『ここで住み込みで働かないか』という言葉。
これを見た瞬間に、そうこなくっちゃ!と思わず膝を打ちました。
アジュリットさんは、勇敢なる剣亭で働きたいとは言っていないんですよね。
変な目を向けられずに安心して暮らせる場所にいたい……と言っているだけで。
おそらくアジュリットさんの中にも、この場所で働けたら……という気持ちがどこかにはあったのかなと思いました。
アジュリットさんの中で、その気持ちが言葉になるほどにははっきりしていなかったり、
ここで働くことで、マスター達に迷惑をかけてしまったらどうしよう……という気持ちがあったのかもしれないと思いました。
アジュリットさんが優しいからこそ。
でもそこでマスターは、『安心して暮らせる場所があるといいな』というような言葉で終わらせず、ここで住み込みで働かないかと、率直に伝えてくれた。
マスターやフィヌーユさんの、この良い意味で直接的な飾らない言葉が、アジュリットさんには必要だったのかもしれないと思えたのです。
これだけはっきり言われたら、遠慮のしようがありませんものね。
おいしい料理の描写で、まるで実際に唐揚げをいただいたように満足させてもらった上で、アジュリットさん自身の居場所も実現して、更に感動させていただいて……二重に大満足の、ほんとうにすばらしい作品でした。
読ませていただけてよかったです。
ありがとうございました。
作者からの返信
最後まで本作品をお楽しみいただき、本当にありがとうございます。
最終話の執筆に入った際に、まず考えたのがアジュリットの行き先でした。
最初はぼやかそうかなとも考えていたんですが、いやどうするかはっきりさせたほうがやっぱりすっきりするかなと思い、この結末にしようと決めました。
bisnonさんの感想を読んで、この結末と展開にしてよかったなぁ……とそう感じております。
本当に、細かいところにまでご注目いただき、ありがとうございました。
大変励みになりました。