応援コメント

魔食者アジュリットのレシピ(3)」への応援コメント


  • 今回の(3)もとても楽しく読ませていただきました。

    印象に残っているのは、最後のアンジュリットさんの祈りの言葉です。

    魔食者がただ魔獣の肉を食べる一族でなのではなく、食べる前に感謝を口にするところに、
    魔食者が、例え魔獣であっても、その肉を大切にしていることが感じられて、アジュリットさんだけでなく、見たことのない他の魔食者のこともすきになりました。

    たった一言ではありますが、その一言で、これまでも魅力的だった魔食者という存在の背景に、更に深みが増して……しかもそれを章の最後に持ってくるもなか様の文章構成力に感動しました。


    また、読んでいて存在や背景に深みを与えられているのは、もちろんアジュリットさんだけでなく、フィヌーユさんやマスターもです。

    なぜコカトリスの料理を魔食者ではないフィヌーユさんが作ったのかという理由が丁寧にわかりやすく書かれていて……しかも、その理由が、この作品(この世界)の魔物のあり方にしっかりと根ざしたものであることがわかるのですよね。


    第一話(1)で、アジュリットさんが訪れているこの街が、魔法加工品と冒険者たちの町であることが描かれていて、そこにコカトリスが増えてきているとわかれば自然と討伐される数も増える。
    討伐される数が増えれば、その死体、その肉は……と自然に思えますものね。

    「倒されて終わり」である魔獣が、しっかりと作品の中心にあって、だからこそ、それを食べる魔食者であるアジュリットさんの存在も引き立って……読めば読むほど、登場人物や街の『解像度』が上がってくる、すてきな話でした。



    次回を読ませていただく時がとても楽しみです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    農耕民族と狩猟民族で考えたとき、アジュリットたち魔食者はどっちに当てはまるんだろうと執筆中に考えたことがあるんですよね。
    その結果、魔獣も獣の一種で、そうなると狩猟民族だろうから、自分たちを生かしてくれる命や肉に対して感謝の気持ちを大切にしているだろうという結論が出ました。
    ここの描写は、そういった考えから入れてみました。
    フィヌーユやマスターがどうしてコカトリスの肉で料理を作ったのかという説明パートも、ちゃんと描写できていたようでほっとしました。

    また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそありがとうございました。